新型コロナ後遺症関連の話の続きです。
鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。
しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。
その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。
発汗過多と痙
または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言われています。なのでサウナでもありえるかもしれません。
こういった場合はくいしばり、はぎしり、顎関節症。それによる頭重・頭痛として不調を訴えます。とはいえ、こういった場合であっても治療をすれば結構よくなります。ブレインフォグと言って来院される方にはこういうタイプも多いです。
脳内の血行障害も結構います。
頭部からの刺絡がよく奏功します。
重症の場合
重症の場合は、できるならば休業が必要です。働きながら回復させていくには本当に根気が要ります。それでもやったなりには回復はしていきますので、どうしても休めない場合は三歩進んで二歩下がる様な経過になりますが、治療の頻度や強度を上げて押し切っていきます。
重症のブレインフォグの場合、回復までに中期~長期的な視野が必要です。半年や一年、二年という時間がかかる覚悟が要ります。覚悟といいましたが、長丁場なので気楽さも要ります。回復を焦り過ぎたり、好不調の波に一喜一憂をしすぎないこと。完璧を求めるのもよくありません。そういった所謂”気の持ちよう”はとても大切で、予後を分けることがある。そういった諸々の好条件が重なると、思ったより早く良くなったりもします。
熱によるダメ―ジは腎精を傷つけると考えるのですが、一度損傷してしまった腎精を補充させていくのにはどうしても時間がかかります。この腎精が正常な脳機能には重要です。
よい休息と適度な運動(ある程度回復せねば運動自体が不可能ですが)、良質な食事、穏やかな精神衛生環境を確保するなど、回復への好条件を総合的にマネジメントする必要があります。そうしていい状態をキープし続けていくと、スマホのバッテリーが充電されていくように体力が戻ってきます。
そしてある程度気血が充実してきたら、おそらく症状の感じが変わってきます。ここで必要な治療がかわります。ステージが変わるという事です。
*脳自体に損傷が出てしまった場合はまったく話が変わります。どこまでなにができるかなんともいえません。ブレインフォグはそういったダメージのない機能的な失調をいいます。
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