2024.04.06 00:25顔面内のコリ中封穴のあたりに生きたツボがあったので引き針をしていたら、顎が開くようになりました。狙ってやったわけではないので偶然です。他の目的がやっていたのに、ついでによくなったという話。とはいえ、「わっ!」とビックリするぐらい大きく開いたので患者さんも大いに驚き、私も面白かったのですが、でもなにが本当に面白いって中封穴、足の厥陰肝経は顎には行っていないことです。『霊枢』には経脈の走行と病証が述べられており、それを大きなよりどころの一つとして鍼灸学は成り立っていますが、その根拠が甚だ疑わしく不十分です。まぁそんなものだろうとぼんやり考えもしましたが、思い返してみるとおそらく肝経は咽頭部や頬裏といった顔面内に響いていく事がよくあるのでその辺に効いたのでしょう。顔面の...
2023.12.05 00:26顔の中が凝る3東洋医学のおける病名では、口噤、または牙関緊急が食いしばりに該当します。病理としては痙。軽度の「痙」はまだいいですが、重症になると治療に難儀します。瞬きを一秒間に10回くらいしている人もいます。眠りについているのに半目が開く人もいます。目が閉じないという症状です。眼が乾燥して慢性結膜炎の原因にもなります。それを単なる目の病気として見ていると上手く治せない。それを痙として治療すると上手くいったりします。首肩のこわばりを訴え、顔が赤く、手足に冷えがあると、風邪に初期と見間違うことがあると『金匱要略』ではいっています。こんな時は葛根湯を飲んだりしてはいけない。太陽傷寒であれば脈浮緊になるのがセオリーですがそうなってはいない。もし脈が沈遅であるならば、それは痙...
2023.11.30 01:06顔の中が凝る2顔が凝る人は、無意識にちからが入りやすい傾向があります。くいしばりもそのひとつです。顎関節症だといって来院する人もいます。くいしばるので顎関節症をおこすのか。或いはその逆なのか、或いは同時なのか。いずれにせよこういう場合は、慢性頭痛や耳の疾患がある人も多いです。興味深いのは、ただ単にこり硬まってかたいのではなく、「力が抜けなくて」硬さを帯びているという点です。だからただ揉んでもあまり意味がありません。無意識にちからを入れてしまっていて抜けない。錐体外路系の不随意運動などはその極みなのだろうと思いますが、障害未満という形でそれが出ている。東洋医学では痙攣の「痙」という字を当てています。「諸痙、項強は皆湿に属す。諸暴強直は皆風に属す」素問 至真要大論風とい...
2023.11.28 00:50顔の中が凝る顔の「中」が凝るなどというと驚かれるかもしれませんが、顔の中が凝っている人は結構たくさんいます。そういう人に最高な鍼を考えました。歴史上おなじような事を考えた人は他にもいるとは思いますが、わたしの知るところでは正穴にも奇穴にも該当するツボがありませんし、刺法も聞きません。なので一応、私の発明ということになります。始めは結構深めに刺したりしてましたが、ほとんど刺さなくても効果が出せることが分かったので、最近はそんな感じでやっています。早い人は一瞬で緩んだりします。物理的には届いていないのに奥が緩むというのは面白い現象です。さらに面白いことには、顔の中が緩むといいことが他にもあるということです。
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.01.22 00:56デコれ、そして映えらせろ昨年、最後の勉強会で美容鍼灸の話がでました。皮膚疾患の治療の一端としてです。たるみが起きている場所。シミのある場所。そういう”場所”の真皮層に鍼をするのだそうです。そこに血流を集め真皮細胞の再生を促す―創傷治癒反応です。そういう物理的な面はたしかに鍼の魅力の一つです。面白味はありませんが。それはそれとして。ひどい話を知りました。なんでも顔にただ鍼をするのではなく、インスタ映えするようにカラフルな鍼でデコるんだそうです。はい、チーズでシェアよろしく、割引もしまっせと..。冗談かと思いました。なんでもそういうことを学生に教える指導者がいるという。医療者としての、鍼灸師としてのプライドはないのか。それともそれが今の”普通”になっているのだろうか。以前、わたし...
2022.11.19 03:05新型コロナ後遺症6.鼻腔共鳴ができない主訴:思うとおりに声が出ない。慢性上咽頭炎との診断です。声を使うお仕事上、思うとおりの声が出ない、せき込んでしまうといった不調はとても問題です。鼻腔共鳴という技術があるそうですが、それがしにくい。後鼻漏があります。左耳も蓋をされたようにボーっとしたり、二重に聞こえたり、パカパカする感じもある。つまり、のど、鼻、耳、全部辛いわけです。顔面の症状って複数が同時に出たりするので地獄なんですよね。私もそうだったのでよく理解できます。診てみると、舌と顎の動きがとても悪くなっています。声を出して、音を鼻に当ててもらうと響き方が場所によってまったく違うことに気づきます。そういう事は普段、自分で知りようがないのですが、こうして一緒に確認してもらうとよく理解できます。
2022.11.01 03:05目・顎の動き眼精疲労、頭が重い。頭重、頭痛はくいしばりからきているようです。しかし、僧帽筋や胸鎖乳突筋など外側はそれほど緊張がありません。後頭部をみても細絡も鬱血もありませんでした。 目と顎の動きを見させてもらうと動きが悪いです。c3.4の横にこりと圧痛がありました。少し上のC2辺りから刺絡すると、問題がより明確になり、今度はC3.4間から刺絡しました。首のコリがぐにゃぐにゃに緩み、眼と顎が動きが良くなりました。これってすごく面白い現象だとおもいますけど、そうおもいませんか。
2022.10.04 14:10目の奥の痛み主訴:右目奥の痛み右頬骨の周りに細絡があります。細絡から刺絡をすると、右目奥の痛みが緩和しました。そのあと数本のハリを打ち、治療を終了しました。頬にある細絡ガイコツが頬を赤らめている訳ではありません(笑)赤い部分はよく、細絡を見かけるエリアです。
2022.09.18 03:40食いしばり主訴:くいしばり外側だと咬筋、外側翼突筋、側頭筋などが問題になります。胸鎖乳突筋、僧帽筋なども筋緊張が出やすいところです。内側翼突筋は下顎骨の裏に隠れている筋肉ですが、ここが緊張している人もいます。ですが内側翼突筋は外側触れることができず、マッサージもできないところです。そこで思案して刺法を考えました。試してみるとお顔が軽くなり、小顔になったそうで喜ばれました。マスク越しでしか、お顔を拝見しないので前後の比較はできませんでしたが。たった一本でそれだけ変わるなら楽なものです。
2022.09.13 11:34顔がこる顔がこる。ピンと来ないかもしれませんが、そういう辛さがあります。もっとひどいと痛みとして感じられます。そういう方々の多くがかみしめ、食いしばり、顎関節の異常を訴えられます。睡眠が悪いのも共通します。首回りの蕁麻疹と顔のこり、痛みで来院された方がいます。前回の治療後、蕁麻疹は引いたそうで、顔の辛さだけが残っていました。前回、下関穴、承泣穴に鍼を打つと、ものすっっっごく痛がっていたので「今回はアレ、どうしますか?」と尋ねたところ、「またやってください💗」と仰る。痛みをも上回る喜びだったようです。今回もそこそこ痛がっていましたが、すごく顔が楽になった!といい、とても喜んでお帰りになりました。一応補足ですが、私はそれほど強い刺激の鍼はやりません。また、顔だけ...