2023.11.04 00:19吐方と慢性上咽頭炎慢性上咽頭炎の治療をしていると、回復期の中盤から終盤にかけて痰をたくさん吐出する場合があります。今日も「前回治療後、オレンジ色の痰をたくさん吐いた」という報告を受けましたが、そういうことがあります。この現象がなぜ起きるのかを考えてみると、吐き出すべきものが上手く吐き出せていなかった人が、体力が回復するにつれてそれを吐き出せるようになってきた、、ということなんだと思います。上手く吐きだせないとはどういうことか。例えば「のどに張り付くような痰があって吐き出せない」という場合がよくあります。とても乾いている。それが治療をしていると、それが潤ってきます。咽頭部の細胞組織を内から潤すように分泌物が湧き、咽に染みつきへばり付いた痰が染み出してくるイメージを私はもっ...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.09.30 00:55冷えたてホヤホヤの不調あ、蚊が飛んでいます。。。なんだか暑いのか寒いのか分かりませんね。季節外れの風鈴もそろそろしまわなくては。急性の腰痛や首痛、肩が痛い、膝が痛い、、、様々な疼痛が増えています。または肩こりが酷い、だるい。なんせ寝冷えをしやすい時期です。寝る前は暑いから。その反応は身体にも表れています。影響が大きい場合は不調として現れ、痛みや気怠さなどとして感じられます。影響が小さい場合は、不調としては感じません。しかし身体にはしっかり影響が現れていて、その微細な反応点はツボとして使用できます。
2023.03.23 00:31「疲労」と「疲労感」”疲労感”は「もう休め」というアラームです。朝、アラームを消し続けたら仕事に、学校に遅刻します。先日『ヒューマニエンス』という番組を見ていました。元ハードラーの為末大さんにご自身の疲労感を点数化してもらうという場面があったのですが、ご自身が感じているよりも実際の疲れは強かったという結果でした。「疲労感」と実際の「疲労」の度合いは別で、私たちの実際の疲労度は思っているよりも高いという。トップアスリートであってもそのようなズレがあるという点が驚きでしたが、もしかしたらそもそも日本人全体がそうなのかもしれません。基本勤勉なので。日本人は世界的に見ても働きすぎのようです。疲労回復にはビタミンB1が大切だとよくいわれます。お酒を飲むとビタミンB1を大量に消費する...
2023.02.03 04:17急性低音障害型感音難聴2急性低音障害型感音難聴と、なんとも物々しい病名ですが、起きている現象をそのまま専門用語に置き換えただけだよという話をしました。内実はいろいろです。軽症もあれば重症もある。この方の場合も休職せざるを得ないほどなので、なかなかの強さです。しかし症状が激しいからと言って重症とは限りません。ステロイド療法後の来院です。主な症状は軟調と耳の圧迫感、倦怠感。睡眠も浅く、発症以来ほとんど寝れていない。メニエールとも過去には言われています。三回ほどの治療でよくなりました。症状は強いですが3回で済んだので軽かったともいえます。強いのに軽いとか、わけわからんと思われるかもしれませんが矛盾する概念ではありません。
2022.12.14 11:52かつてないほど楽。頭痛、肩こり、息苦しさ、倦怠感が主訴です。特に検査では問題がないそうです。ただ、症状は楽になりません。心下痞硬、下焦の瘀血がみられます。やや便秘。月経痛もあるそうです。5回目、「かつてないほど楽」とのお言葉を頂きました。刺絡もかなり合うようです。月経痛は月単位で見てみないとわかりませんが、よくなっていくはずです。
2022.12.08 02:51倦怠感と筋肉痛「新型コロナの後遺症かもしれない」といいご来院されました。倦怠感とからだ全体に痛みがあるので辛いとのこと。しかし近年、発熱したこともなく、新型コロナにかかった記憶もないそうです。筋痛とだるさは関連があります。また、複数ある”痛む場所”にはある特徴がありました。線維筋痛症の診断所見を満たしています。他の既往歴からも関連を想起しました。ただ、その可能性を伝えてもあまりいいことはありません。診断名が確定したとしても、現代医学では有効な治療法がないからです。線維筋痛症の治療でもっともエビデンスが高いと言われている治療法は鍼灸と言われていますので、そのまま治療をしました。結果としては大分良いそうです。線維筋痛症と診断されていたとしても、内実は様々です。数回でよく...
2022.11.05 03:05新型コロナ後遺症42022.2月にコロナ感染後からの不調体のあちこちに痛み、こわばり。だるい。動けないことはないが、寝ていたい。鼻の奥のツーンと痛む。*****診てみると胸脇苦満があり、胸下にも強い痛みがあります。治療後、下痢をしました。2回目で大分だるさ、息苦しさが減り、良く寝れた。6回目の時点で胸部の不快症状は概ねなくなり、頭痛が主な主訴となりました。パッと魔法の様にすべてが消える訳ではありません。状態は変化しながら良くなっていきます。その時々に合わせて治療は変わっていくものです。
2022.11.01 03:05目・顎の動き眼精疲労、頭が重い。頭重、頭痛はくいしばりからきているようです。しかし、僧帽筋や胸鎖乳突筋など外側はそれほど緊張がありません。後頭部をみても細絡も鬱血もありませんでした。 目と顎の動きを見させてもらうと動きが悪いです。c3.4の横にこりと圧痛がありました。少し上のC2辺りから刺絡すると、問題がより明確になり、今度はC3.4間から刺絡しました。首のコリがぐにゃぐにゃに緩み、眼と顎が動きが良くなりました。これってすごく面白い現象だとおもいますけど、そうおもいませんか。
2022.10.20 02:50メンタルきつい内容を聞いてはいませんが、メンタル的なダメージを負ってしまったそうです。お仕事上、ダメージは避けられないとのこと。それがハリをすると楽になる。お陰様でなんとか毎日を闘えているとのこと。ありがたいお言葉です。毎日を一生懸命に生きている皆さんをこころから応援しています。本当に毎日お疲れ様です。***で。そのダメージをどこで受けているのかを診ると、主に上焦に現れていました。その二次的な影響を中焦・下焦が被っている。おそらく朝起きるのもきついはずなので、治療時間にも遅れがちです。遅れると5分くらいの治療になったりしますが、それでも十分すぎるくらい効いているようです。最高記録は残り時間3分で入室。恐る恐る「で、できますか・・・?」と。「できますよ(笑)」といって...
2022.10.18 01:30感染症後遺症主訴:倦怠感、不眠、肩こりなど新型コロナ発症後、だるさなどの不調が残ってしまったそうです。お風呂に入っても身体が温まらない。現在休職中で、「果たして3週間後に復帰できるのか・・・」という不安を抱えて来院されました。すでに5回くらい治療しましたが、「大分動ける寝れる身体が温かい」と良い兆候です。今日はまだ首肩背中の辛さが残っているということでした。診察すると、首は右回旋ができません。腹診では胸脇苦満があり邪気が残ります。範囲は大分狭まりましたが、何回取っても出てきます。しぶといです。そこから右首にまで影響していることが分かりました。肋骨8-10番のあたりの細絡から刺絡をすると息が深くなり、背のハリが減り、首の動きもよくなりました。