2023.12.05 00:26顔の中が凝る3東洋医学のおける病名では、口噤、または牙関緊急が食いしばりに該当します。病理としては痙。軽度の「痙」はまだいいですが、重症になると治療に難儀します。瞬きを一秒間に10回くらいしている人もいます。眠りについているのに半目が開く人もいます。目が閉じないという症状です。眼が乾燥して慢性結膜炎の原因にもなります。それを単なる目の病気として見ていると上手く治せない。それを痙として治療すると上手くいったりします。首肩のこわばりを訴え、顔が赤く、手足に冷えがあると、風邪に初期と見間違うことがあると『金匱要略』ではいっています。こんな時は葛根湯を飲んだりしてはいけない。太陽傷寒であれば脈浮緊になるのがセオリーですがそうなってはいない。もし脈が沈遅であるならば、それは痙...
2023.11.30 01:06顔の中が凝る2顔が凝る人は、無意識にちからが入りやすい傾向があります。くいしばりもそのひとつです。顎関節症だといって来院する人もいます。くいしばるので顎関節症をおこすのか。或いはその逆なのか、或いは同時なのか。いずれにせよこういう場合は、慢性頭痛や耳の疾患がある人も多いです。興味深いのは、ただ単にこり硬まってかたいのではなく、「力が抜けなくて」硬さを帯びているという点です。だからただ揉んでもあまり意味がありません。無意識にちからを入れてしまっていて抜けない。錐体外路系の不随意運動などはその極みなのだろうと思いますが、障害未満という形でそれが出ている。東洋医学では痙攣の「痙」という字を当てています。「諸痙、項強は皆湿に属す。諸暴強直は皆風に属す」素問 至真要大論風とい...
2023.11.28 00:50顔の中が凝る顔の「中」が凝るなどというと驚かれるかもしれませんが、顔の中が凝っている人は結構たくさんいます。そういう人に最高な鍼を考えました。歴史上おなじような事を考えた人は他にもいるとは思いますが、わたしの知るところでは正穴にも奇穴にも該当するツボがありませんし、刺法も聞きません。なので一応、私の発明ということになります。始めは結構深めに刺したりしてましたが、ほとんど刺さなくても効果が出せることが分かったので、最近はそんな感じでやっています。早い人は一瞬で緩んだりします。物理的には届いていないのに奥が緩むというのは面白い現象です。さらに面白いことには、顔の中が緩むといいことが他にもあるということです。
2023.11.25 01:02泡を吐く泡を吐くと頭痛が楽になるということがあります。泡を吐くだなんて信じられない気もしますが、そういうことがあります。胃の中にあるムカムカしたものが上がってきて、吐き出してみると泡状の塊なんだそうで、水に流してもなかなか解けない。おそらく痰飲の一種なのでしょう。これが出ると楽になるという。痰が結れて頭痛を起こしている。陽気が阻まれるため頭が寒い。そのために悪風がしたりします。気が巡りだすとうまく吐き出せる様子です。
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.09.09 00:05焼け石に水治療。そして水滴石を穿つ。慢性的な頭重感と四肢の痺れ。手足のしびれは手袋・靴下状になっている。多発神経炎に近いですが、病院での各種検査では特に異常はない。肥満、頭重感、上腹部のつっかえ、悪心、倦怠感、舌湿やや紫暗に白膩苔、脈弦滑。職業柄、一日にカレーを7杯食べるような日常。。。食毒に間違いなし。やや小便不利。その他の腎系統の不調はない。治療するも「多少マシ」という程度。12回目の治療で初めて頭痛が取れました。手足の痺れはなかなか取れずらいものの徐々に減退。「一日にカレー7杯」とか「パンを15個」という話を聞いた時点で、「それだけ食べる生活を続けながら治すのは難しい」という話はしましたが、「止められない。だから食べながら治してほしい」という。「焼け石に水になりますよ」というとそれ...
2023.08.31 00:45ブレインフォグについて腎系統のダメージがメインになっている場合について述べました。(➡コロナ後のブレインフォグ)頭痛・頭重感についても述べました。頭痛にもいろいろあり、凄く取れにくい頭痛(➡コロナ後の頭痛)もありますが、私個人としては頭重感の方が厄介な感じがします。頭重感は湿邪が絡んでいると東洋医学では考えます。帽子を被ったかのように頭重感が圧し掛かってくる。湿気が絡んだ頭痛です。湿はしつこい。ダジャレではない・・・。本当にしつこいです。更には湿に熱が絡むと湿熱といい、より強固な邪毒となります。さらに取れにくく再発もしやすい。消化器の問題が絡みやすく飲食の影響も受けやすい。湿度にも低気圧にも反応しやすい。とにかく厄介です。別名を痰飲といいメンタルにもきます。(➡コロナ後の不...
2023.08.24 09:14コロナ後のブレインフォグコロナ後の頭痛はよくなりやすいようですが、頭重感は再発しやすい様子です。治療をすればしたなりに楽になりますが、日常生活のなかで負荷がかかってくると徐々に頭重感が出てきやすい。特にパソコンを使ったデスクワークがきつそうです。仕事をしていると徐々に頭が重たくなり、思考力や判断力が落ちてくる。熱病によるダメージが激烈であったり、長期化していたり、基礎体力が弱いと深い所にまで影響が残ります。脳は腎系統に属し、膀胱、命門、骨髄、耳竅に連なると東洋医学では考えますが、体表に及んだ反応を読んでいくとブレインフォグは腎系統にまで及んでいるというのは間違いないようです。経絡の変動くらいなら大したことありませんが、臓腑にまで及ぶというのは重い。なかには残念ながら良くならな...
2023.08.22 00:52コロナ後の頭痛コロナ後の頭痛を訴えて来院される方は多いです。大抵はよくなります。頭痛だけならそれほど時間も回数もかかりません。ところが、何回やってもなかなか取れない人がいます。色々手を尽くしても「少し減ったかも」くらいの様なので、手がなくなってしまいました。それでも、あの手この手を考えることで鍼灸師としての限界値を広げることができます。わたしはずっとそうやってきました。あの先生がこういったから、この本にこう書いてあったから、、、そういうことも役には立ちますが、臨床知を真に磨いてくれるのはこういった場面です。それでもどうにも太刀打ちできないこともありますが、この方の頭痛に関してはほとんど解消されつつあります。糸口が見つかり幸いでした。
2023.06.15 00:50気象病で頭痛いよくある話です。低気圧が近づくと具合が悪い。主に頭痛でお困りの様です。こういう方は水毒体質が非常に多いです。五苓散は気象病の定番になりました。ただ、葛根湯医者と同じ構造で「当たるも八卦、当たらぬも八卦」な所があります。気象病体質者は茯苓や白朮が合いそうな人が多いので完全にドはまりするまではいかなくても多少なりとも効果は出やすいのでしょう。そこから取捨選択して漢方薬は構成されています。その微調整ができないデメリットはありますが、お手軽なのがエキス剤のいいところです。微調整といえば例えば、附子が要りそうな人もいます。今日お越しになられた人も苓朮附すべてが要りそうな女性でした。水毒があり、かつ寒がありました。単なる水毒ではないということです。
2023.06.01 00:04新型コロナ感染後、頭痛新型コロナ感染後、頭痛が絶え間なく続くそうです。ただ、瀉法で鍼をするとかなり痛く感じるそうなので、瀉法を使わず治療を進めていくことにしました。さまざまな事を試しましたが、どうも治りが悪い。それでご本人から「我慢しますのでもっとやってください」という要望をうけ、瀉法でいく事にしました。それからは回復が進んでいったので、やはり攻めるべきは攻める方がいいなと改めて思いました。無駄に時間がかかり反省です。
2023.03.18 00:30コロナ後から頭痛2月初頭に新型コロナになり、それ以来2週間が過ぎても頭痛がずっと続いている。小学生の男の子です。確かに側頭部に反応が強く出ていました。それ以外に目立った所見はなく、それほど深くには入っていなそうです。テイシンを使って、5分ほど治療しました。テイシンは刺さらないので、刺激に敏感な人や、子どもによく使います。翌週。お母様が治療に来られた時の話では、それ以来頭痛は収まってしまったそうです。