2024.04.10 23:55コロナ後の吐き気新型コロナ感染後から吐き気がするようになったという学生。気持ちが悪くて、昼からでないと登校できない。食べられない。心療内科にもかかっているそうですが、思わしくない。そうこうしているうちに体力も落ちてしまった。思春期の子たちの後遺症の場合、なかなかうまくいかない事があります。肉体的な問題がなくなっても登校できない。この方の場合はうまく行き、大分回復してきました。修学旅行も無事に行けたそうで喜ばしい。
2024.02.17 00:25教えられ、鍛えられる新型コロナ感染後、胸痛があるという方です。不眠、動悸、息切れ、疲労があります。心臓が検査でひっかかることはない。ひっかることはないけれど確かに動悸はするし胸痛がある。「気にしすぎなのでは・・・」と周囲や医師から思われている人もいるようですが、わたしの実感としてはちゃんとそれなりの反応がお身体に出ているものです。そういうことは画像診断では映らない。そういう事はよくあります。これまでも大勢見させて頂きましたが、新型コロナ感染後の胸痛や不眠、動悸、息切れ、疲労などにはよく適応する感触です。そんな中でも極めつけの、手ごわい胸痛に出会いました。あらゆる手を尽くしましたが難攻不落。1mmも良くならない場合は私の手に負えません。ただ効かない訳でもないので工夫の余地が...
2023.12.19 01:05ハートウォーミングな鍼鍼をしていたら、胸がポカポカ温まったそうです。体位性頻脈症候群(POTS)、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)をお持ちの方で、新型コロナ感染後からの不調です。横から起き上がるとふらつきを覚え、身体を起こしておられない。この時に心拍数が大きく上昇。運転・歩行中、どこに視点を合わせたらいいか分からなくなる。イヤホンがダメで、大声で歌えない。悪天候で不調が増し、スマホも見れない。人込みでめまい。中途覚醒、寝汗、手の痺れ、足の脱力感。いろいろあります。起立性調節障害という病名をよく聞いた時期がありましたが、どちらも自律神経失調症の様相があります。治療法としてはなにも変わらない気がします。**鍼をした後、胸のあたりに感じていた寒々しさが失せ、胸が温まったそう...
2023.11.07 00:40吐方と慢性上咽頭炎2漢方において、汗吐下和(かん・と・げ・わ)という治法があります。「吐」方は吐かせる治療法であり、該当する薬方を催吐剤といいます。胃の内容物などを吐き出すことを指しますが、吐方はかなりきつい治療法だったらしく次第に廃れました。一方で、口内から痰を排出することで治癒していくという過程もまた、まさに吐法の一部なのではと前回述べました。上咽頭を病む場合、上咽頭単独で炎症がある場合もあるでしょうが、どうも下咽頭~食道あたりまで荒れていることはよく様子です。実際に目で見て確認することはできませんが、触診でもある程度の予測ができます。胸と腹を治さずに喉だけ治すことはできません。吐方の歴史は古く、『内経』『難経』にも記録があります。「髙き者は因りて之を越す」『素問』陰...
2023.11.04 00:19吐方と慢性上咽頭炎慢性上咽頭炎の治療をしていると、回復期の中盤から終盤にかけて痰をたくさん吐出する場合があります。今日も「前回治療後、オレンジ色の痰をたくさん吐いた」という報告を受けましたが、そういうことがあります。この現象がなぜ起きるのかを考えてみると、吐き出すべきものが上手く吐き出せていなかった人が、体力が回復するにつれてそれを吐き出せるようになってきた、、ということなんだと思います。上手く吐きだせないとはどういうことか。例えば「のどに張り付くような痰があって吐き出せない」という場合がよくあります。とても乾いている。それが治療をしていると、それが潤ってきます。咽頭部の細胞組織を内から潤すように分泌物が湧き、咽に染みつきへばり付いた痰が染み出してくるイメージを私はもっ...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.10.24 00:40熱が出て良かったこと体力が戻ってきたときに残っていた病巣を回復させようとする働きが起こってくることがあります。重要なのは、ここで一度発熱することがあるということです。ここで不摂生をしたり服薬で無理に解熱することなく、上手く経過しきると一段階状態がよくなることがあります。最後に発熱して大きく回復する人はよくいます。そういうことなく、気づけば回復していったという人もいます。様々なパターンがあります。これは『傷寒論』によれば自明の現象ですが、現代医学的に考えるならばやっつけ切れなかった病原体を免疫系がきちんと撃退しようとするのだと思います。ただ本当のところはわかりません。私の解釈です。感染病発症によって消耗していたり、不適当な服薬によって生命力が減弱している場合も同様です。「熱...
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.10.18 23:55新型コロナ後遺症 回復への経過観察新型コロナ後遺症における治療で見えてきた、回復までのある特徴を図にしてみました。ある特徴とは、症状は段階的に減っていくという事と、時期によってメインとなる不調が変わっていくということです。それを治療の回数毎にして図示してあります(あくまでモデルです。2.3回で済む人もいれば数か月かかる人もあります。治し切らないまま終了したケースもあり色々です)。
2023.09.22 23:45ストレス・自律神経・上咽頭「ストレスが原因だ」という話はよくありますが、実際のところなんの解決にもなりません。ほとんど何もいっていないのと同じです。「自律神経の乱れ」というのももっともらしいですが同様です。最近は「慢性上咽頭炎」がメジャーな概念です。解剖学的部位に原因を定めた点では確かに異なりますが、そこからが雑過ぎます。ストレス説と大差がありません。人をみればとりあえずBスポットをやっている。当たるも八卦当たらぬも八卦の世界です。虚が主体の咽頭炎もあれば、実が主体の咽頭炎もあります。十二経絡でみても同様です。そういう発想がないまま、上咽頭だけをみていても非効率です。陰と陽、寒と熱、様々な視点から捉え直すのが東洋医学の良いところです。それはとても具体的だからです。例えば脈やお腹...
2023.09.14 00:20異臭症-臭いにおいがする「ドブのような臭いがする」「糞便臭がする」このような異臭が感じられるという。想像するにとてつもなく不快な症状です。鼻うがいをしても、Bスポット療法をしても、服薬しても取れない。それを笑って話せる人もいれば、死を考えたという人もいます。重症度はさまざまのようです。そんな症状があるのかと思われるかもしれませんが、副鼻腔炎、蓄膿症の方が訴える症状のひとつであり、異臭症といいます。コロナの後遺症による嗅覚障害とはにおいが分らなくなることと思われていますが異臭症に苦しむ人たちもいることが分ってきました。そんな人たちがちらほら来ます。軽微なものであれば速効性が期待できますが、頑固な症状だとかなり時間がかかることもあります。病の深度、経過、年齢や体力によって回復度合...