新型コロナ後遺症 回復への経過観察

新型コロナ後遺症における治療で見えてきた、回復までのある特徴を図にしてみました。

ある特徴とは、症状は段階的に減っていくという事と、時期によってメインとなる不調が変わっていくということです。それを治療の回数毎にして図示してあります(あくまでモデルです。2.3回で済む人もいれば数か月かかる人もあります。治し切らないまま終了したケースもあり色々です)。

また、図中では代表的な症状として「頭・首の不調、のどの症状、倦怠感、不安感、睡眠障害」だけを取り上げましたが、その他の症状は無関係とか治療対象にならないという意味ではありません。他にも動悸・息切れ、耳鳴り、副鼻腔炎、咳、脱毛、ブレインフォグ、集中力低下、性欲減退等さまざまな訴えを聞いています。

コロナ後遺症として話をしていますが、ワクチン後の後遺症も似通った症状を訴えています。


治療開始前はたくさんの症状があっても、治療を進めて行く毎にひとつ、ふたつの症状に絞られていく。そしてそれはのどや首、頭部などの集約されていく傾向がみられます。すべての症状が均等に消失していくということは今のところみられません。

また、段階的に回復していくのにあたって比較的初期に改善していくのが睡眠障害と不安障害です。とはいえ最後の方まで残ることもありますのであくまで傾向です。

まず睡眠障害は回復への大敵です。寝れなくては治るものも治りません。よい睡眠が取れてこそ回復が促されますし、睡眠が改善されないと他の症状も取れづらいようです。

睡眠障害の回復具合に注目しながら私は治療をしています。


不安感も比較的、早い段階で緩和していく印象があります。新型コロナ後遺症という未知の病、回復手段がないという言説、先行きの見えない状況におかれることから、ただでさえ不安感は起きやすい状況です。しかし、そういうこととは別に身体面での問題として不安感が引き起こされているからこその後遺症といえます。感染前は不安感がなかったからです。

こういった場合、抗不安薬やカウンセリングも有効化もしれませんが、鍼灸治療はよく効くようです。多くは痰飲が絡んでいます。痰飲による不調はしつこくて、取れづらくて、ぶり返しやすいという特徴があり、非常にやっかいです。そのため重症度に関わらず食生活等、生活の改善・適正化をお勧めします。特に糖質過剰な食事は回復を遅らせます。

睡眠障害や不安感が落ち着いてくると社会復帰がしやすくなります。そして主な不調は肉体的な面へと移っていきます。

例えば首や肩、頭の痛み。のどの違和感、痰がからむ等です。こういった症状がしつこく最後まで残る傾向があります。とはいえ、この時点で社会生活はできるくらいに回復している方が多いので、疼痛は残ったまま治療を終了とされる方もなかにはいます。


街角の小さな鍼灸院の実感でしかないのでなんとも分からないところですが、コロナ以前の風邪後遺症よりも、新型コロナの後遺症の方が重い気がします。この辺はより大きな視点から考えないといけないところなので知りえない所ですが興味のあるところです。

今後も経過観察を続けていきます。