2024.02.17 00:25教えられ、鍛えられる新型コロナ感染後、胸痛があるという方です。不眠、動悸、息切れ、疲労があります。心臓が検査でひっかかることはない。ひっかることはないけれど確かに動悸はするし胸痛がある。「気にしすぎなのでは・・・」と周囲や医師から思われている人もいるようですが、わたしの実感としてはちゃんとそれなりの反応がお身体に出ているものです。そういうことは画像診断では映らない。そういう事はよくあります。これまでも大勢見させて頂きましたが、新型コロナ感染後の胸痛や不眠、動悸、息切れ、疲労などにはよく適応する感触です。そんな中でも極めつけの、手ごわい胸痛に出会いました。あらゆる手を尽くしましたが難攻不落。1mmも良くならない場合は私の手に負えません。ただ効かない訳でもないので工夫の余地が...
2023.12.19 01:05ハートウォーミングな鍼鍼をしていたら、胸がポカポカ温まったそうです。体位性頻脈症候群(POTS)、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)をお持ちの方で、新型コロナ感染後からの不調です。横から起き上がるとふらつきを覚え、身体を起こしておられない。この時に心拍数が大きく上昇。運転・歩行中、どこに視点を合わせたらいいか分からなくなる。イヤホンがダメで、大声で歌えない。悪天候で不調が増し、スマホも見れない。人込みでめまい。中途覚醒、寝汗、手の痺れ、足の脱力感。いろいろあります。起立性調節障害という病名をよく聞いた時期がありましたが、どちらも自律神経失調症の様相があります。治療法としてはなにも変わらない気がします。**鍼をした後、胸のあたりに感じていた寒々しさが失せ、胸が温まったそう...
2023.12.12 00:40覚醒度が高すぎる新型コロナ感染後、寝れなくなってしまったという男性。日中の覚醒度が高すぎると訴えます。ちっとも眠たくならないし、ちからも抜けない。診察させて頂いても一目瞭然明らかに。確かに。見るからに覚醒しまくっています。動画を撮らせて貰えばよかった。これでは寝れないだろうなという状態が全身に及んでいます。幸い治療の適応は高く、治療するごとに徐々に眠れるようになっていきました。やはりこれも”痙”といったところでしょう。意外と多い痙病。揉んで取れるような緊張ではありません。
2023.11.04 00:19吐方と慢性上咽頭炎慢性上咽頭炎の治療をしていると、回復期の中盤から終盤にかけて痰をたくさん吐出する場合があります。今日も「前回治療後、オレンジ色の痰をたくさん吐いた」という報告を受けましたが、そういうことがあります。この現象がなぜ起きるのかを考えてみると、吐き出すべきものが上手く吐き出せていなかった人が、体力が回復するにつれてそれを吐き出せるようになってきた、、ということなんだと思います。上手く吐きだせないとはどういうことか。例えば「のどに張り付くような痰があって吐き出せない」という場合がよくあります。とても乾いている。それが治療をしていると、それが潤ってきます。咽頭部の細胞組織を内から潤すように分泌物が湧き、咽に染みつきへばり付いた痰が染み出してくるイメージを私はもっ...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.02.14 04:20緑内障主訴:緑内障現在の視力視野をできるだけ保てるよう、できるだけのことはしておきたいそうです。最近、片目だけで見ると視野がやや狭まり、目の疲れも感じやすいとのこと。60代なので年齢もあります。顔面、上背部に細絡がちらほらあります。上部胸椎付近に、またはそれ以上に血行障害があるマークです。基本的には元気そうですが、睡眠障害と首肩がガチガチです。こういう事が直接、目と関係するのかといえば、医学的には無関係ということになるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。施術後は目がスカッとするそうなので、定期的に続けていくことになりました。緑内障もいろいろなので、一概に鍼灸が有効とは思いませんが、全体性のなかで目の健康を考えることは有益だと思います。
2023.02.03 04:17急性低音障害型感音難聴2急性低音障害型感音難聴と、なんとも物々しい病名ですが、起きている現象をそのまま専門用語に置き換えただけだよという話をしました。内実はいろいろです。軽症もあれば重症もある。この方の場合も休職せざるを得ないほどなので、なかなかの強さです。しかし症状が激しいからと言って重症とは限りません。ステロイド療法後の来院です。主な症状は軟調と耳の圧迫感、倦怠感。睡眠も浅く、発症以来ほとんど寝れていない。メニエールとも過去には言われています。三回ほどの治療でよくなりました。症状は強いですが3回で済んだので軽かったともいえます。強いのに軽いとか、わけわからんと思われるかもしれませんが矛盾する概念ではありません。
2023.01.07 11:49塩梅が難しいアトピー性皮膚炎で治療中の方です。初診時には必ず今飲んでいるお薬を確認するのですが、処方されている漢方が攻めすぎなのが気になっていました。攻めねばならないところは攻めるべきなのですが、攻めすぎると消耗するのです。それで私は消耗を回復するような治療をこころがけました。そうするとすごく調子が良い。それでお薬を飲み忘れる日が続いた時、ふと体調が良いことに気付いたそうです。思い切って飲むのを止めてしまったら抜毛も減り、睡眠もよくなってしまった。素晴らしい処方で、過去には合っていた時期もあるのでしょうが今はそうではなかった。証は変わっていくものなのでその都度合わせた方法が必要です。漢方を的中させるというのは本当に難しいことなのです。的中させ続けるのはプロ中のプロ...
2022.11.15 03:00「なにも変わりませんねぇ」わたしが、「前回の治療のあと、調子はいかがでしたか。変わったことはありませんでしたか」と聞くと、Aさんは「なにも変わりませんねぇ・・・」とお答えになりました。そうか、手ごたえは良かったのだが・・・そうでもなかったのかと思いました。ですが、尋ね方を変えてみることにしました。わたし「鼻水が出ていましたが、止まりました?」Aさん「そういえばおかげさまで止まりましたねぇ」わたし「おしっこは元気にでるようになりましたか」Aさん「あ、そういえばよく出ますねぇ」わたし「お通じもよくなったんじゃないですか?(舌診をしながら)」Aさん「そういえば、便秘がよくなりましたねぇ」わたし「大分いいじゃないですか」Aさん「そうですねぇ」というやりとりです。所見がよくなっているので...
2022.10.20 02:50メンタルきつい内容を聞いてはいませんが、メンタル的なダメージを負ってしまったそうです。お仕事上、ダメージは避けられないとのこと。それがハリをすると楽になる。お陰様でなんとか毎日を闘えているとのこと。ありがたいお言葉です。毎日を一生懸命に生きている皆さんをこころから応援しています。本当に毎日お疲れ様です。***で。そのダメージをどこで受けているのかを診ると、主に上焦に現れていました。その二次的な影響を中焦・下焦が被っている。おそらく朝起きるのもきついはずなので、治療時間にも遅れがちです。遅れると5分くらいの治療になったりしますが、それでも十分すぎるくらい効いているようです。最高記録は残り時間3分で入室。恐る恐る「で、できますか・・・?」と。「できますよ(笑)」といって...
2022.10.18 01:30感染症後遺症主訴:倦怠感、不眠、肩こりなど新型コロナ発症後、だるさなどの不調が残ってしまったそうです。お風呂に入っても身体が温まらない。現在休職中で、「果たして3週間後に復帰できるのか・・・」という不安を抱えて来院されました。すでに5回くらい治療しましたが、「大分動ける寝れる身体が温かい」と良い兆候です。今日はまだ首肩背中の辛さが残っているということでした。診察すると、首は右回旋ができません。腹診では胸脇苦満があり邪気が残ります。範囲は大分狭まりましたが、何回取っても出てきます。しぶといです。そこから右首にまで影響していることが分かりました。肋骨8-10番のあたりの細絡から刺絡をすると息が深くなり、背のハリが減り、首の動きもよくなりました。