2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.09.28 00:45どこから刺絡をするか刺絡をする時に「ここが痛む」と場所を教えてくれる人がいます。ここだここだと一生懸命に教えてくださる。わたしを助けてくれているんだと思うと、親切に応えてそこからやってあげたくなる。しかし実際に刺絡をしてみると対して黒い血もでず効果もそこそこ。微妙でした。患者さんが辛いと思う所から刺絡したところで効果がでるとはいえません。次回。患者さんの訴えは無視して、手の感覚を使って病所を探してみると、患者さんが「ここ」と訴える所から少し離れたところにそれはありました。そこから刺絡をしていると、それはもうどす黒い血がたくさん出ました。あたりです。感覚や勘は否定されがちですが、それを信じてやるのも間違いではないという話です。
2023.06.06 01:50膝を切る前に昔、膝蓋靱帯を事故で失い、大きな傷跡がある男性です。その古傷が急激に痛み、腫れてきてしまった。びっこひいてご来院。膝が曲がらず靴下も履けないそうです。たしかに炎症がありますが心当たりとなる原因はない。整形外科にかかるもただ「手術が必要」とのことです。ただ、なぜ手術が必要なのかは聞いてもよくわかりません。(よくわからないのに簡単に手術してしまうのか??)根拠が乏しいなかでも行われる手術って結構あります。画像診断によって必ずしも原因が特定できるわけではないので、一般に思われているほどあまり当てになりません。切ったけど良くならなかった腰痛や膝痛はそこそこ見聞きします。***拝見させて頂くと、そもそもが問題が多い膝で、膝蓋靱帯の有無や手術後の癒着以外にも見るべ...
2023.05.06 00:25健康保健のための刺絡刺絡には、健康保健のための刺絡という面でも活用があります。そのことをわたしは工藤訓正先生の著書から学びました。工藤先生の著書は西洋医学的な側面から刺絡の効能を説明してくれている点で新鮮です。 「万人に」というのであれば適量を考えないといけないと思います。要約するとこのように説明することができます。瘀血による問題は、脳の循環障害は脳ばかりでなく、全身の各種機能に影響を及ぼす。それを解消するためには刺絡により首肩こりを取ること、皮膚および末端部位における末梢血管障害を排除、または改善すること。月に1回以上の治療を継続することで疾病予防、健康管理に貢献できるとしています。 1,心臓の負担の軽減 2,血液の...
2023.03.14 00:15五十肩もどき肩が痛く、腕を外側に挙げられません。挙げようとするとすごく痛い。外旋も無理です。「五十肩になった」と言ってお越しになりました。肩というよりも骨格的な問題があります。斜角筋の異常緊張が強すぎて、鎖骨の位置にも問題を生じさせています。井穴刺絡をすると腕が挙がるようになりました。真正の五十肩であれば、こんな簡単に腕が挙がったりはしません。
2023.02.14 04:20緑内障主訴:緑内障現在の視力視野をできるだけ保てるよう、できるだけのことはしておきたいそうです。最近、片目だけで見ると視野がやや狭まり、目の疲れも感じやすいとのこと。60代なので年齢もあります。顔面、上背部に細絡がちらほらあります。上部胸椎付近に、またはそれ以上に血行障害があるマークです。基本的には元気そうですが、睡眠障害と首肩がガチガチです。こういう事が直接、目と関係するのかといえば、医学的には無関係ということになるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。施術後は目がスカッとするそうなので、定期的に続けていくことになりました。緑内障もいろいろなので、一概に鍼灸が有効とは思いませんが、全体性のなかで目の健康を考えることは有益だと思います。
2023.01.06 10:10血を絞りたくなる時3以前、訪問在宅ケアをしている会社に勤めていた時の話です。刺絡がよく効きそうな頭痛患者さんがいました。通常の治療ではなかなか奏功しなかったのですが「血を絞りたいな~~」と思わせる色が後頭部に浮いていました。刺絡が良さそうです。刺絡とは鬱血と共に邪気を去るための刺法です。悪血とか瘀血などといいますが、頭部の鬱血のための起こる頭痛があります。ただ「刺絡は使わない」というのが事業所のルールです。当時まだ若く、鼻息の荒かった私は手柄が欲しかった。勇み足で代表と交渉にいきましたが退けられました。代表にとって刺絡は未知の療法でしたので不安は理解できます。でもそれ以上に浮足立つわたしの功名心や危うさを見抜かれていたのかもしれません。ルールはルールなので、残念ですが仕方...
2022.12.17 01:45消えないにきび鍼がにきび痕に効く理由としては色々言われています。にきびの周りにわずかな傷をつける(創傷)ことで、細胞再生が促され、瘢痕も吸収されやすくなります。細菌感染がある場合は免疫反応を助けることで回復が早まります。まぁ、それで消せるのであればなんとでも言えるところです。消えなければなんの意味もない。陽気の行りが悪かったり、毒が多かったりすると、瘢痕がなかなか消えません。数年経っても消えないニキビが火鍼を始めてから消えはじめたりするのは面白い現象です。臓腑経絡にある寒と毒が、新たな肌肉の再生を阻んでいると言えます。瘀血があると新血は生まれないとは唐容川の言葉ですがまさにそうと言えます。とはいえ、火鍼や刺絡という方法が最重要なのではありません。課題に言いすぎたかも...
2022.12.15 03:05腰回りのにきび腰回りの痤瘡。にきびです。腰回りに広がっています。瘢痕となって黒く色素沈着した感じもあります。瘀血・食毒の存在が伺われます。脂っこい食物や甘い物、濃い味付けが好きな人が多いです。婦人科が関連している場合もよくあります。普通の刺鍼でも有効ですが、刺絡や火鍼はよく適応します。
2022.12.14 11:52かつてないほど楽。頭痛、肩こり、息苦しさ、倦怠感が主訴です。特に検査では問題がないそうです。ただ、症状は楽になりません。心下痞硬、下焦の瘀血がみられます。やや便秘。月経痛もあるそうです。5回目、「かつてないほど楽」とのお言葉を頂きました。刺絡もかなり合うようです。月経痛は月単位で見てみないとわかりませんが、よくなっていくはずです。
2022.12.07 06:49耳だれがする慢性の中耳炎です。赤く血の混じったものも出る。Bスポットで大分よいそうですが、取り切れない。瘀血のサインが出ていました。鬱熱もあり、冷えもある。治療の後、排便があり、耳垂れが減ったことを教えてくれました。慢性なので一回では治り切りはしません。