2024.01.04 00:36透き通るってことは宇宙に触れることBLANKEY JET CITYのDERRINGERです。「透き通るってことは 宇宙に触れること」 とはその歌詞なのですが、こころの中にずっと残っていました。天人合一、純粋無欲。東洋の空、無の思想に近いものを感じがします。「ゾンビが愛を告白する時」というフレーズで始まるこの曲。ホラー映画のようなPVが気味悪くてまた良い。実家の整理中、たくさんCDが出てきてしまいました。そういえば古びたCDデッキの動作確認もしないといけなかった。まだ使えるだろうか。 よし作業中断!これだけは聴こう、じゃなくて動作確認だ!
2023.12.30 06:00修業時代の記憶かつて、茨城県にある道場に毎月、鍼灸修行に通っていました。その頃の思い出です。過去に『いやしの道 機関紙』に投稿した文章の修正版です。***曙色。または橙色。朝陽が差し込み白壁を染めていく色を見ていた。冷たい空気。白い息。足が痺れて立てない。永遠のように感じる座禅は睡魔との闘いでもあった。思い返してまず浮かんだのは夢現に見ていた壁の色。永遠に感じる痛苦の中で、永遠を感じさせる色が私をみていた。
2023.12.21 00:5324年度の輪読会を終えて年内最後の傷寒論輪読会を昨夜終えました。中国の古い医学書を読んでいます。なんせ2000年前の本で白文です。日本語解説があるとはいえ、出てくる単語の意味が分からない。辞書で引くにもそこに出てくる単語の意味が新たにわからない。。。そもそも現代人には読めない漢字が多すぎます。私はいちいち辞書で引いて読みましたが、それだと辞書を引くだけで膨大な時間がかかります。初めのうちは一文、一節、一章を理解するだけでも大変です。そんな感じで大体200章くらいあります。それを昔の人は何べんも読み込んだ。横田観風先生からも「20回、30回と読みなさい」と言われましたが、まだ私もそこまでいきません。そもそも普通は最後まで読み切れることすら困難です。すぐ分かる。すぐ身につくわけで...
2023.08.03 00:51熊本に行ってきました毎月、博多周辺で有志の方数名に鍼灸の稽古をしているのですが、今月は初の熊本大会でした。普段は古方漢方のテキストや江戸時代の鍼灸書を題材にしています。面白いですよ。さて。つねづね、学術道の三位一体と実践が大切だと説きはするものの、学問や技術的な指南ばかりで”道”に関わるような部分はまったくしてきていませんでした。なので、今回はそういった核となる部分について体操をしながらお話しました。教えることで学ばされる。教学相長とはこの事なんだなと感謝の気持ちです。打ち上げは通町筋にでてスペインバルで楽しいひと時😊旧友にも会えてよかった。*写真は体構えの稽古をしているところです。
2023.05.12 23:35「い、色でもついてるんですか?」そんなお言葉を頂き、嬉しく思ったという話です。わたしの治療は触診から始まります。人が「頭が痛い」と言っているのに、手を取って指先を見つめたり、ふくろはぎに触ったり、、、そのうちセクハラで訴えられなければいいのですが。無遠慮にべたべたと触って、改めてすみません。あまり触診をしない鍼灸治療もありますので、そういう治療ばかり受けてこられた方は驚くかもしれません。しかしいまのところ、わたしは人体に現れる反応を触診で拾うことを大切にしています。以前のわたしの治療はそうではありませんでした。あまり触診をしませんでしたし、そもそも触診をしてもぜんぜんわからない。どこがどう悪いのかかなりぼんやりしており、かなり悩みました。あまり関係のない反応を拾ったりもしていました。...
2023.03.20 23:50『東洋医学ホントのチカラ』を見てNHKで『東洋医学ホントのチカラ』という番組を見ました。番組自体よりも、”大学病院にお勤めで博士号を持つ”方々ばかりが登場するという構成が、もっとも印象に残りました。改めて自分の立ち位置が確認できたからです。博士号を持たなくとも、大学病院にお勤めでなくても、優れた鍼灸師は市井にたくさんいます。雑誌に投稿される研究論文や症例報告は私もよく読みますが、優れたものがたくさんあります。一般向けに話ができる人もいる気がするのですが。。「鍼灸がテレビで注目された」と喜べるほど純粋でもなく、諦観と呼ぶほどの悟りもなく、嫉妬と呼ぶには枯れ過ぎています。微妙なこころの温度で番組を見ていました。彼らのような医師が私たちを代表して下さっているとも言えますが結局、鍼・灸の専門...
2023.02.11 00:44私の血肉になったもの東京九鍼研究会の石原克己先生がご逝去されたとネットで知りました。わたしの記憶の中の石原先生はまだお若いままなのですが、思えば私も年を取り、あれからすでに15年も経っていました。とはいえ、訃報を聞くには早すぎるという気持ちです。私は石原先生からも多大な影響を受けたと思っていますし、恩も感じています。ご冥福を祈らずにはおられません。***東洋鍼灸専門学校時代、3年実技を担当して下さったのが石原先生でした。伊藤瑞鳳先生が東洋鍼灸専門学校を退官されたため、瑞鳳先生から実技が習えぬことに当初は肩を落としていたのですが、「石原先生がいるから心配はないよ」と他の先生から慰められたのを覚えています。博愛に満ちて暖かく、類のないほど博識。ヒーリングボイスとその手からは無...
2023.01.06 10:10血を絞りたくなる時3以前、訪問在宅ケアをしている会社に勤めていた時の話です。刺絡がよく効きそうな頭痛患者さんがいました。通常の治療ではなかなか奏功しなかったのですが「血を絞りたいな~~」と思わせる色が後頭部に浮いていました。刺絡が良さそうです。刺絡とは鬱血と共に邪気を去るための刺法です。悪血とか瘀血などといいますが、頭部の鬱血のための起こる頭痛があります。ただ「刺絡は使わない」というのが事業所のルールです。当時まだ若く、鼻息の荒かった私は手柄が欲しかった。勇み足で代表と交渉にいきましたが退けられました。代表にとって刺絡は未知の療法でしたので不安は理解できます。でもそれ以上に浮足立つわたしの功名心や危うさを見抜かれていたのかもしれません。ルールはルールなので、残念ですが仕方...
2022.12.11 06:38学生に鍼をしてもらう3続きです。この人体の防衛反応は想像以上に早く、こちらが押す前から始まっています。術者のこころに「押そう」という念が生じた時点で、すでに相手に緊張が生まれています。不思議な気がしますが、一言で言えば「気配」という事なのでしょう。動物的な直感がまだ人間にも働いている証です。学生に切皮をしてもらう2022.11.20に話が戻りますが、学生の鍼がどうして素晴らしかったのかというと、「我」がなかったからだとわたしは思っています。良くも悪くも「治そう」「入れよう」という意気込みも、「痛くないようにしよう」「失敗したらどうしよう」という恐れもなかった。本人はまったく自覚はありません。武術でも「当てよう」では当たらないとよくいいます。『魔女の宅急便』でもキキが一時期、...
2022.10.22 22:10神戸源蔵の鑱鍼神戸源蔵(カンベ ゲンゾウ)鍼製作所が閉業されたと知りました。神戸さんは浅草橋駅の近くにあった、江戸時代から続く鍼製作所です。私の手元には6世に作って頂いた、わずかな毫鍼(ゴウシン)と鑱鍼(ザンシン)が残っています。どれも古代九鍼のひとつです。皆さんがご存知のいわゆる”鍼”は、正式には毫鍼といいます。この鑱鍼には忘れられない思い出があります。
2022.10.17 00:54新型コロナに罹りました3今夏は新型コロナを体験できて、本当に勉強になりました。その体験を仲間の鍼灸師にシェアしたところ、見事息子さんの高熱に対処することができたそうです。よかったよかった。古典を読んでおいてよかった。本当にそう思いました。新型コロナについて連続投稿してきましたがここでは最後に、今まさに古典と格闘する後輩鍼灸師や、同じ道を歩む仲間たちに向けてメッセージを書きたいと思います。*****