新型コロナに罹りました3

今夏は新型コロナを体験できて、本当に勉強になりました。

その体験を仲間の鍼灸師にシェアしたところ、見事息子さんの高熱に対処することができたそうです。よかったよかった。


古典を読んでおいてよかった。本当にそう思いました。

新型コロナについて連続投稿してきましたがここでは最後に、今まさに古典と格闘する後輩鍼灸師や、同じ道を歩む仲間たちに向けてメッセージを書きたいと思います。

*****

心に残っているお話があります。

その大意はこのようなものでした。

「臨牀を通じて古典を読むことで、2000年前に生きた医聖が体験したものを、いまここで追体験することができる。そして2000年前の人々と私たちが違わない事を知る。2000年前の医術が現代でも通用することを知る。」

その驚き、喜びと感動があることを教えて頂きました。


また、古典に参じ、体験を通じて、

「医聖たちと同じ命を生きることができる」ということをおっしゃられたと思います。私の脚色が入っているかもしれませんが大意はこうだったと思います。


手っ取り早く治療技術を学びたいなら、古典から学ぶという学習法は、効率が悪いかもしれません。この先、一生出番のない知識・記憶もあるでしょう。


今回役に立ったのはこの17年間、一度も出番がなかった記憶です。

初めから陽明病でスタートした外感病の経験はありませんでした。ありえないとは言わないが早すぎます。そういうケースがあることは頭の片隅にあったので役に立ちました。「ああ、これか」と。


時間をかけて、古人の言葉を味わうという体験は他では得難いものですし、こうして緊急時に役に立つこともあるのです。また、ここでは述べませんが古典と格闘することは実用的なテクを学ぶためではなく、東洋的メタ思考における飛躍を促すと思います。

私自身の学び方も、改めて気を引き締め直さねばなりません。


効率を考えて学んでいたら、今回の対応はできなかったかもしれません。

だからもう一回いわせて下さい。

古典を読んでおいてよかった。本当にそう思いました。


いまは私が指南する立場で、夜22時から傷寒論の輪読会を開催しています。

いままさに古典と地道な格闘している人たちに伝えたかったことです。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ