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本

2024.02.22 00:50
狭心症に灸
近頃は寒暖差がありますね。この寒暖差、特に気温が急に下がった今日みたいな日に心臓に負担を感じるそうです。狭心症既往歴のある女性です。先々週、左陽地と外関、足三里に鍼をして帰した所、翌週は非常に冷え込みにも関わらず、一度も心蔵の負担を感じなかったそう。なので頓服を飲むのも忘れていたそうです。よく効いたようです。そういえば、、、、と思い『鍼灸神髄』を読み返すとそのまま書いてありました。澤田健氏は左陽地と中カンのお灸で子宮の左屈を治すという事をやっています。三焦を整え下焦に気を集めるために使っていたようです。心蔵と子宮とではなんの関係もありません。そこを読み解くにはどうしたらいいか。多分そこを説明した人はいないと思います。わたしが知らないだけかもしれませんが...
2023.11.16 00:35
随想:一日一施
『一日一花』という川瀬敏郎さんの素晴らしい写真集があります。息が止まるほどに美しいとはまさにこの事。枯れた草花をこんな形で見せてくれた人をわたしは他に知りません。
2023.08.08 00:35
漢方の知識を鍼にどう活かすか
風邪の変形による不調というものがあります。しかし、そんなものは一般に認知されていないので、突然起こった原因不明の不調として感じていたりします。普通の鍼灸師だと、やはりそういう考え方はしませんので同様に分からないと思います。しかしそういう不調は多いです。そしてその処理の仕方は傷寒論をみるとたくさん書いてあると前回述べました。漢方の聖典をどうやって鍼に活かすのか?という難問があります。そこを攻略するには地道に古典を読んでいても難しいです。これまでも鍼灸と漢方の世界の合一を試みた著作は存在しますが理屈と理屈のすり合わせにすぎず、あまり使えません。大塚敬節ら昭和漢方界が残してくれたテキストは読みやすくてありがたいですが、鍼灸師用に書かれたものではありません。な...
2023.05.06 00:25
健康保健のための刺絡
刺絡には、健康保健のための刺絡という面でも活用があります。そのことをわたしは工藤訓正先生の著書から学びました。工藤先生の著書は西洋医学的な側面から刺絡の効能を説明してくれている点で新鮮です。 「万人に」というのであれば適量を考えないといけないと思います。要約するとこのように説明することができます。瘀血による問題は、脳の循環障害は脳ばかりでなく、全身の各種機能に影響を及ぼす。それを解消するためには刺絡により首肩こりを取ること、皮膚および末端部位における末梢血管障害を排除、または改善すること。月に1回以上の治療を継続することで疾病予防、健康管理に貢献できるとしています。  1,心臓の負担の軽減  2,血液の...
2023.01.14 01:35
”風邪を経る”という体験
野口晴哉氏の言葉だったと思います。『風邪の効用』という名著は一般にも知られているようですが、その著者です。わたしの知る限りでは、氏は風邪に対して”治す・治る”という表現は使わず、”経る”という言葉を使っていたと思います。風邪を悪いものだと思っていない。病原体に免疫が迎え撃つときにはどうしたって熱はでるものです。発熱は免疫反応の一端なので、それ自体が治癒しつつあることを示しています。確かに肺炎や脳炎など重症化する人が一定数でます。確率でいえば0%ではない。。。しかしそのことを恐れるあまり発熱することを過剰に忌避する社会になっています。熱がでたらすぐに熱さましを飲ませる。抗生剤を飲ませる。私も「なにかあったらどうすんだ」と言われたらなにも言い返せません。た...
2022.12.11 06:38
学生に鍼をしてもらう3
続きです。この人体の防衛反応は想像以上に早く、こちらが押す前から始まっています。術者のこころに「押そう」という念が生じた時点で、すでに相手に緊張が生まれています。不思議な気がしますが、一言で言えば「気配」という事なのでしょう。動物的な直感がまだ人間にも働いている証です。学生に切皮をしてもらう2022.11.20に話が戻りますが、学生の鍼がどうして素晴らしかったのかというと、「我」がなかったからだとわたしは思っています。良くも悪くも「治そう」「入れよう」という意気込みも、「痛くないようにしよう」「失敗したらどうしよう」という恐れもなかった。本人はまったく自覚はありません。武術でも「当てよう」では当たらないとよくいいます。『魔女の宅急便』でもキキが一時期、...
2022.10.17 00:54
新型コロナに罹りました3
今夏は新型コロナを体験できて、本当に勉強になりました。その体験を仲間の鍼灸師にシェアしたところ、見事息子さんの高熱に対処することができたそうです。よかったよかった。古典を読んでおいてよかった。本当にそう思いました。新型コロナについて連続投稿してきましたがここでは最後に、今まさに古典と格闘する後輩鍼灸師や、同じ道を歩む仲間たちに向けてメッセージを書きたいと思います。*****
2022.10.03 05:02
分からないことを残しておく
本題ではないのですが、まずは前回取り上げた、「お腹のしこり」と「指」と「唇」と「皮膚」がどう関係するのか臓腑経絡説を用いて説明してみたいと思います。 お腹にある天枢穴はまず、陽明大腸経の募穴です。 陽明大腸経は手の人差し指から始まり、鼻・唇の辺りへ流れています。親指は太陰肺経の領域ですが、陽明大腸経とは表裏関係にあります。肺は五主でいえば「皮毛」ですから、皮膚と関連が深い。 臓腑経絡説によれば、肺臓の働きが衰え、表裏関係にある大腸経上(人差し指と唇)の皮膚に異常が多く現れたとでもいえるかもしれません。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ

・毎日の診療から一部を紹介。

・「どんな時にかかったらいいか分からない」「○○が鍼灸で楽になるなんて知らなかった」という声を多く受けるので、意外でかつ身近な症状を挙げていきます。

・それなりの効果がないと紹介する意味がないので結果、有効例ばかりが並んでいます。なんでも治るわけではありません。偏りのある情報体であることをご承知ください。

・極力、エビデンスや「正しさ」みたいなものの外にある臨牀を綴っていくつもりです。

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