2023.06.29 01:21喉から首に来る首を寝違えたそうです。首の伸展障害があります。きっかけは特にないそうですが詳しく聞いてみると、数週間前に発熱した時にお酒を飲んだから声が出なくなり、そのあたりから不調なのだそうです。広い意味では感染症後遺症の可能性があります。というか、そもそも熱が出たときにお酒を飲んではいけません!たしかに声にガラガラした感じが残っています。右の肺経、左の小腸経で痛みが大分取れましたがその日は声が出るようにはなりませんでした。***翌週、首は大分良いようですが、声はまだ半分くらいでない。***翌週、首は問題なくなり、声も出るようになってきました。喉からの邪気が首いったのだと思います。そういう意味ではまだ首の痛みも油断できません。首の痛みは単なる首の痛みではないことがあ...
2023.06.27 00:55邪気について邪気などというと、お祓いとか悪霊とか、そういうイメージを持たれるのは普通かもしれません。”ヤバいやつら”が降りていくで説明しましたがそういうのではありません。例えば術者の体感としては、邪気が抜けていく時には「ぷるるる―ん」とか「ざわざわ~」といった感じがします。擬音化するとなんだか可笑しいですが、そうすると患者さんの様態がその場で好転したりします。ある種の「波動」なのでしょう。別に邪気など分からなくて鍼灸治療は可能ですが、やれることが広がる・深まるということはできるでしょう。邪気といってもなにか悪霊みたいなものとは違うことが分って頂けるのではないかと思います。
2023.06.24 00:20邪毒を見ることについて体内の毒によって、なんでもない自然現象も邪気として働くという発想はわたしには斬新でした。例えば体内に冷えがある人は、外気温が下がると冷えやすい。湿気をため込んでいる人は、湿気にやられやすい。これらは水毒があるためです。水毒がなくなると冷えにも湿にも反応しにくくなる。あまり汗をかかなくなったり、おしっこの出がよくなったり、具体的に体がかわります。さまざまな事象を解釈したり予測するのに有用です。邪と毒が分かると治療による変化が予測しやすくなります。臓腑の虚だけを見ていると治療後の展開がまったく読めないので困ることになります。しかし、邪毒を見る治療家はほとんどいない。邪気を論ずる鍼灸師もいません。そんなものを見ずに行う鍼灸治療でもそこそこ成立していしまうのが...
2023.06.22 00:45毒と邪と感受性前回、なんでもないことに過敏に反応してダウンしてしまうというお話をしました。そういう場合は体内の毒が多いからといえます。そのことを私は吉益東洞先生に学びました。万病一毒論です。脾が虚しているから湿に弱いとか、腎が弱いから寒に弱いというのもありますが、そもそもなぜ脾や腎といった五臓が虚していくのか。どの臓腑の虚があるかは問題ではありますが、しかし臓腑の虚だけでは不十分です。邪気と毒の存在が抜けています。虚を補えば実はなくなるから(邪気は無視して大丈夫)という考えもありえますが、それだと単なるバランス療法にすぎず、攻邪としては弱いです。過労やストレスなどによっても臓腑経絡の虚は起きますが、体内に毒による影響によって起こるものだと思ってわたしは治療しています...
2023.06.20 11:48バタフライエフェクト?そんな訳で気象病と寒について述べましたが、あらためて本当にすごい現象です。遥か遠くの海上に発生した台風の影響を福岡で感じたりするのですから。誠花堂内にはそこそこの気圧計を設置して観測をしているのですが、気圧計が反応する前から体感してしまう人は結構います。地球の裏側でおきた蝶の羽ばたきが遥か遠方にまで影響を及ぼすことをバタフライエフェクトというのですが、まさにこれもそうです。普通は反応しなくてもいいことに反応してしまうというのはキツいです。これを病といわずになんと言おうか。こういった体質には水毒が関わることが多いです。そして水毒があるとアレルギー性疾患になりやすい。人混みや白壁がきついという人がいますが、あれも広い意味でのアレルギー、過剰反応を捉えると面...
2023.06.17 00:50気象病と寒続きです。附子は寒を去ります。附子とはトリカブトなので使用に注意が要り薬物で、かつてはトリカブト毒殺事件がありました。しかし、それだけの毒性があるからこそ起死回生の妙薬にもなりえます。偏性をもって偏性を正すわけです。起死回生の妙薬ですから、ここぞという時には思い切って使うないといけない。その判断は技術と経験と覚悟のなせるわざなのでしょう。鍼の場合はそこまで難しいことはありません。別にお灸があるからという訳ではなく、鍼だけでもかなりの虚寒が減らせます。寒が減るとあまり天候に左右されなくなるようです。
2023.06.15 00:50気象病で頭痛いよくある話です。低気圧が近づくと具合が悪い。主に頭痛でお困りの様です。こういう方は水毒体質が非常に多いです。五苓散は気象病の定番になりました。ただ、葛根湯医者と同じ構造で「当たるも八卦、当たらぬも八卦」な所があります。気象病体質者は茯苓や白朮が合いそうな人が多いので完全にドはまりするまではいかなくても多少なりとも効果は出やすいのでしょう。そこから取捨選択して漢方薬は構成されています。その微調整ができないデメリットはありますが、お手軽なのがエキス剤のいいところです。微調整といえば例えば、附子が要りそうな人もいます。今日お越しになられた人も苓朮附すべてが要りそうな女性でした。水毒があり、かつ寒がありました。単なる水毒ではないということです。
2023.06.13 00:48ブシャール結節大学生です。突然指が腫れてきたそうです。手指の第二関節(PIP関節)が腫れていますが、触診してみるとそれ以外には特に異常という異常がありません。痛いわけでも熱いわけでもない。エリアとしては手の厥陰心包経です。痰症として治療し、2回程で元の指に戻りました。手や指にはなにもしていません。それが面白い所です。なお、痰症の鍼は『鍼道発秘講義』に詳しいです。ブシャール結節は軟骨の摩耗や関節の変形などによって起こるとされてはいますが、詳細は不明です。
2023.06.10 00:37怪我を繰り返す3時はNBAファイナルです。マイアミヒートとデンバーナゲッツがしのぎを削っています。ジャマール・マレーはナゲッツの2大看板のひとり。2021年の前十字靭帯断裂から完全復活。そしてファイナルにまで上がってきた。。。泣けます。ヒートも19-20シーズンの雪辱を晴らし、ジミー・バトラーにはチャンピオンになってもらいたい。どちらにも負けてほしくない!
2023.06.08 01:05怪我を繰り返す2以前、紹介した陸上男子の件です。その後、何度も治療する必要がありましたが、だいぶ良くなりました。膝や足首が問題というよりも内傷病的で、五臓のダメージがあります。そこを回復するようにしていくと、なぞの疼痛が出なくなっていきました。良かった良かった。整形外科的な視点からは明確な問題はありませんでした。それでもたしかに痛みがある。走れないし、歩くのもいたい。現代医学での概念では説明不能な症状です。そのため、心因性とかストレス性とされている場合がよくあります。本当に精神的な面が大きい場合もありますがそういうケースではありませんでした。東洋医学では、手足の痛みやしびれは広く”痺症”といいます。今回の痛みは遊走性で風の様に掴まえ所がない特徴から行痺、または風痺に該...
2023.06.06 01:50膝を切る前に昔、膝蓋靱帯を事故で失い、大きな傷跡がある男性です。その古傷が急激に痛み、腫れてきてしまった。びっこひいてご来院。膝が曲がらず靴下も履けないそうです。たしかに炎症がありますが心当たりとなる原因はない。整形外科にかかるもただ「手術が必要」とのことです。ただ、なぜ手術が必要なのかは聞いてもよくわかりません。(よくわからないのに簡単に手術してしまうのか??)根拠が乏しいなかでも行われる手術って結構あります。画像診断によって必ずしも原因が特定できるわけではないので、一般に思われているほどあまり当てになりません。切ったけど良くならなかった腰痛や膝痛はそこそこ見聞きします。***拝見させて頂くと、そもそもが問題が多い膝で、膝蓋靱帯の有無や手術後の癒着以外にも見るべ...
2023.06.03 00:34ワクチン接種後に肩痛いよくある問合せです。徒手検査をしたあと、経絡的な問題を調べると肺経、大腸経の深層に問題がありました。散鍼すると大分動きがいいそうです。寒湿痺の様相もあるので火鍼を使うとなお良いという。これだけで可動域も大分改善しました。