体内の毒によって、なんでもない自然現象も邪気として働くという発想はわたしには斬新でした。
例えば体内に冷えがある人は、外気温が下がると冷えやすい。
湿気をため込んでいる人は、湿気にやられやすい。
これらは水毒があるためです。
水毒がなくなると冷えにも湿にも反応しにくくなる。
あまり汗をかかなくなったり、おしっこの出がよくなったり、具体的に体がかわります。
さまざまな事象を解釈したり予測するのに有用です。
邪と毒が分かると治療による変化が予測しやすくなります。臓腑の虚だけを見ていると治療後の展開がまったく読めないので困ることになります。
しかし、邪毒を見る治療家はほとんどいない。邪気を論ずる鍼灸師もいません。
そんなものを見ずに行う鍼灸治療でもそこそこ成立していしまうのが鍼灸という道具の特性、懐の広さとも言えるのかもしれませんが、そういう治療に不安を覚えて誠花堂へ来られたという人は少なくありません。
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