毒と邪と感受性

前回、なんでもないことに過敏に反応してダウンしてしまうというお話をしました。

そういう場合は体内の毒が多いからといえます。そのことを私は吉益東洞先生に学びました。

万病一毒論です。


脾が虚しているから湿に弱いとか、腎が弱いから寒に弱いというのもありますが、そもそもなぜ脾や腎といった五臓が虚していくのか。

どの臓腑の虚があるかは問題ではありますが、しかし臓腑の虚だけでは不十分です。邪気と毒の存在が抜けています。虚を補えば実はなくなるから(邪気は無視して大丈夫)という考えもありえますが、それだと単なるバランス療法にすぎず、攻邪としては弱いです。

過労やストレスなどによっても臓腑経絡の虚は起きますが、体内に毒による影響によって起こるものだと思ってわたしは治療しています。


体内に毒があると関連する臓腑に虚が現れるため、風寒暑湿燥火といった六淫の邪気に傷られやすくなるということです。なんでもない春の風邪や梅雨の湿気や冬の寒さが、海上の低気圧が、なんでもない音や光が人体にとって害をなしてしまうことがある。


こういう考え方は東洋医学世界全般においても一般的ではありません。

そのためかなり特殊におもわれていますが真実だと私は思っています。

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この辺のことについて私は『医事或問』を通して徹底的に問い続けてきました。気になる人はぜひ見てみて下さい。ただし、古文と東洋医学の基本的な素養は必要です。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ