2024.04.25 00:39無菌性膀胱炎結構多いお悩みです。なんの炎症反応もなく、単なる頻尿くらいの症状なのにこういわれている人がいます。診てみると足の厥陰肝経の変動でした。胃経、腎経へと反応は移り、最終的には仙骨に集約されていきました。こうやって見てみると、経絡は必ずしも理論通りの一本の線として連なっている訳ではない事がわかります。
2024.04.20 00:49急性低音障害型感音難聴2何度聞いても、お経みたな名称です。字面だけを見ていると気が重くなるような感じがします。突発性難聴よりは軽症という扱いであり、これまで治療させて頂いた限りにおいては、確かに鍼も効きやすい気がします。ただ、長期化して苦しんでいる方もおられるようでやはり色々なのでしょう。時間が経てばよくなるものもあるけど、時間が経ってもよくならないものもある。そんな人に鍼はいいと思います。
2024.04.16 00:15憑き物に甘草瀉心湯『金匱要略』百合狐惑陰陽毒病脈証第三ここに狐惑の病について記述があります。狐惑の"狐"とは陰部にできた潰瘍を、"惑"とは喉にできた潰瘍のことを言い、症状としてはある種の精神異常を起こす病だと言われています。粘膜のただれなどという点でいえばベーチェット病のようなものにあたるのではと成書にはあります。夜中に起きて舞を舞う。それがまた気味が悪いくらい上手く踊るのだという。このままでは嫁にやることができないから、どうにか治してほしい。そうして、そんな娘を甘草瀉心湯で治したという話があります。甘草瀉心湯は基本的には消化器系の症状に使う薬方ということになっていますがこのような例に応用できると言うのが面白い。初めて読んだ当時は「そんなこともあるんだな」くらいで受けて...
2024.04.10 23:55コロナ後の吐き気新型コロナ感染後から吐き気がするようになったという学生。気持ちが悪くて、昼からでないと登校できない。食べられない。心療内科にもかかっているそうですが、思わしくない。そうこうしているうちに体力も落ちてしまった。思春期の子たちの後遺症の場合、なかなかうまくいかない事があります。肉体的な問題がなくなっても登校できない。この方の場合はうまく行き、大分回復してきました。修学旅行も無事に行けたそうで喜ばしい。
2024.04.06 00:25顔面内のコリ中封穴のあたりに生きたツボがあったので引き針をしていたら、顎が開くようになりました。狙ってやったわけではないので偶然です。他の目的がやっていたのに、ついでによくなったという話。とはいえ、「わっ!」とビックリするぐらい大きく開いたので患者さんも大いに驚き、私も面白かったのですが、でもなにが本当に面白いって中封穴、足の厥陰肝経は顎には行っていないことです。『霊枢』には経脈の走行と病証が述べられており、それを大きなよりどころの一つとして鍼灸学は成り立っていますが、その根拠が甚だ疑わしく不十分です。まぁそんなものだろうとぼんやり考えもしましたが、思い返してみるとおそらく肝経は咽頭部や頬裏といった顔面内に響いていく事がよくあるのでその辺に効いたのでしょう。顔面の...
2024.04.04 00:18香りを迎えに迎香穴というツボがあります。香りを迎えに行くと解釈してよく、名は体を表す好例です。それにしても美しい名前です。よく響くところです。「臭いが分からない」という方はよくいますが、ここに鍼をしておくと鼻も通りやすい。手の指でさすってみてもいい。導引按蹻の類です。
2024.03.22 10:58名前のないツボめまいがするという。耳の辺りからめまいが来ている感じがするとのこと。調べてみると手の三焦経の一本内側にツボがありました。そこに本来ツボはありません。変動穴といってもいいかもしれない。中心に強い実の反応があったので瀉してみると耳の違和感が消失。歩いてもらうとめまい感がありませんでした。名前のないツボということになりますが、それでも効くという事実は面白いです。
2024.03.16 00:55梅核気と月経異常梅核気が久しぶりに出たとのことですが、振り返るとここ数カ月の月経がおかしかったという。咽の不調の診察をしていて見つけた少腹急結ですが、少腹急結はそもそも月経異常にも大きく関わります。少腹急結とは漢方の用語であり、下腹部に現れる反応をいいます。下腹部が硬い=少腹急結と捉えている医師も多いようですがそうではなく、少腹急結という診断要件を満たすにはいくつかの条件がそろう必要があります。そこは専門知識がいるところなので省きますが、なにはともあれ少腹急結があれば瘀血の存在を示唆します。前回述べた経緯から、このかたの梅核気は瘀血であったといえます。また瘀血は月経異常にも関わります。ここ数カ月の月経異常が解消されないまま春に突入してしまったがために現れた梅核気だった...
2024.03.14 00:30梅核気と少腹急結「久しぶりに梅核気になった」という女性。梅核気とは、ヒステリー球ともいわれる咽の違和感です。漢方医に小柴胡湯に五苓散を処方されたものの、あまり効き目がないらしい。梅核気とみるや、半夏厚朴湯を出すようなテンプレ処方がなされることが多いですがそうではない。ちゃんとした診察を受けた上での処方のよう。診察させて頂くと、確かに小柴胡湯も五苓散も良さそうな気配。しかし、少腹急結による影響が大きく思われ、その処置をしてみると咽の違和感はその場で消失。ついでに頭痛も取れたという。ビンゴでした。薬方ならばもっとほかの処方ならよかったのかもしれない。「病名」と「治療法」を固定化させることができないいい例です。
2024.03.02 00:25天地が痞える2「否」に「疒」で”痞”であり、”否”とは周易において「塞がる」の意味があります。天地否=䷋痞えるとは塞がる病であり、人体における陰陽、天地が塞がる病です。天地陰陽の不調和を現しています。ではなぜ天地が塞がってしまうのか。天が問題なのか。地が問題なのか。整体なんかでよく「首を整えればすべての不調は治る」とかいったりしますが、いわばそれは天だけが問題であるとし、天だけで問題を解決しようとするものです。逆にある人は地が問題だと考える。「骨盤矯正を治せばなんでもなおる」みたいな謳い文句がありますがそういう思考です。でも問題のすべてが首だけ、骨盤だけということはありえません。そういう単純な話の方が一般受けしやすいですが、分かりやすい話には偏りがあるので大体、真実...
2024.02.28 01:35天地が痞える「胸がつかえる」という事にピンとこない方も多いとは思いますが、このように訴える方は意外と多いです。例えば「胸がつかえると寝れなくなる」等という不調があります。つかえる、とは”痞”えると書きます。「否」に「疒」で”痞”であり、”否”とは周易において「塞がる」の意味があります。痞えるとは塞がる病であり、天地陰陽の不調和を現しています。天地「否」=䷋”否”の反対は地天泰=䷊であり、天地陰陽が交流し安定した様を現します。地が上に在り、天が下にあり逆さまですが、それ故に循環がある。天が上に地が下にあるのは普通ですが、それだと極まった状態、つまり循環が立たれた状態を意味します。人体においても同じことが起こりえるのですが、それを痞といいます。痞の取り方はいろいろなの...
2024.02.22 00:50狭心症に灸近頃は寒暖差がありますね。この寒暖差、特に気温が急に下がった今日みたいな日に心臓に負担を感じるそうです。狭心症既往歴のある女性です。先々週、左陽地と外関、足三里に鍼をして帰した所、翌週は非常に冷え込みにも関わらず、一度も心蔵の負担を感じなかったそう。なので頓服を飲むのも忘れていたそうです。よく効いたようです。そういえば、、、、と思い『鍼灸神髄』を読み返すとそのまま書いてありました。澤田健氏は左陽地と中カンのお灸で子宮の左屈を治すという事をやっています。三焦を整え下焦に気を集めるために使っていたようです。心蔵と子宮とではなんの関係もありません。そこを読み解くにはどうしたらいいか。多分そこを説明した人はいないと思います。わたしが知らないだけかもしれませんが...