厥心痛と真心痛

病院でのアブレーション手術したけれど、不整脈が改善しなかった。そんな話はポツポツ効きます。それで鍼灸治療を何件かで受けて回ったけどよくならなかったというAさん。この方は結局、3,4回くらいの施術でほとんどの不快症状が起こらなくなりました。

アブレーション手術とはカテーテルを体内に入れていって、不整脈の原因となっている心筋を焼き切る手術もしてきたそうです。急性であればほとんどは治ると言われていますが、この方は病歴が長かったせいか、あまり効果的ではなかった。

一年以上、発作が持続するような心房細動だと負担が重なり、心不全を招いたり、脳梗塞の原因となったりしますので怖い。

1日1回、脈が飛ぶだけでも相当不快らしく、「心蔵にドクンと急に来て気持ち悪いし、不安だ」といって何度も病院にかかる人もいます。Aさんは1日のなかで100回以上、脈が飛ぶというだから大変です。そのドクンと飛ぶ感じが心蔵の痛みのように感じる。


ところで、『霊枢』という古代の書物には、厥心痛と真心痛について書かれています。

厥心痛はいわば機能性の心疾患なので、上手くやれば鍼でよくなります。そう難しいことではありません。

この方は、病院での検査では特に心蔵自体に異常が見つからなかった。よく分かっていないから、治療もしようがない。ところが、こういったものに対しては鍼治療がいい場合がある。そういうことが2000年前の『霊枢』には書かれてある。実際によく効きます。

それに対して真の心痛。真心痛はおそらく心筋梗塞、心筋症、心不全、心臓弁膜症などを想定していると思われ、不治の病と考えられています。本当の心臓の病。だから真心痛。心臓の状態は病院で検査して貰わないと分かりませんし、真心痛なら鍼灸師は基本的に触らない方がいい。

でも、鍼治療で手助けすることができないというわけではない。私は何度も狭心症の発作をその場で止めてますし、再発予防もしてきました。実体験としては、軽い心筋梗塞くらいまでなら対応できることも分かっています。

わたしの所に学びに来てくれている鍼灸師たちは、いずれは全員そのくらいにはなれるはずです。そういう人をもっと増やしたい。

最近、厥心痛と思われる方が立て続けに来院されていますので述べました。

探花逢源

福岡県福岡市 薬院 誠花堂院長のブログ