2024.02.22 00:50狭心症に灸近頃は寒暖差がありますね。この寒暖差、特に気温が急に下がった今日みたいな日に心臓に負担を感じるそうです。狭心症既往歴のある女性です。先々週、左陽地と外関、足三里に鍼をして帰した所、翌週は非常に冷え込みにも関わらず、一度も心蔵の負担を感じなかったそう。なので頓服を飲むのも忘れていたそうです。よく効いたようです。そういえば、、、、と思い『鍼灸神髄』を読み返すとそのまま書いてありました。澤田健氏は左陽地と中カンのお灸で子宮の左屈を治すという事をやっています。三焦を整え下焦に気を集めるために使っていたようです。心蔵と子宮とではなんの関係もありません。そこを読み解くにはどうしたらいいか。多分そこを説明した人はいないと思います。わたしが知らないだけかもしれませんが...
2024.02.17 00:25教えられ、鍛えられる新型コロナ感染後、胸痛があるという方です。不眠、動悸、息切れ、疲労があります。心臓が検査でひっかかることはない。ひっかることはないけれど確かに動悸はするし胸痛がある。「気にしすぎなのでは・・・」と周囲や医師から思われている人もいるようですが、わたしの実感としてはちゃんとそれなりの反応がお身体に出ているものです。そういうことは画像診断では映らない。そういう事はよくあります。これまでも大勢見させて頂きましたが、新型コロナ感染後の胸痛や不眠、動悸、息切れ、疲労などにはよく適応する感触です。そんな中でも極めつけの、手ごわい胸痛に出会いました。あらゆる手を尽くしましたが難攻不落。1mmも良くならない場合は私の手に負えません。ただ効かない訳でもないので工夫の余地が...
2023.12.19 01:05ハートウォーミングな鍼鍼をしていたら、胸がポカポカ温まったそうです。体位性頻脈症候群(POTS)、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)をお持ちの方で、新型コロナ感染後からの不調です。横から起き上がるとふらつきを覚え、身体を起こしておられない。この時に心拍数が大きく上昇。運転・歩行中、どこに視点を合わせたらいいか分からなくなる。イヤホンがダメで、大声で歌えない。悪天候で不調が増し、スマホも見れない。人込みでめまい。中途覚醒、寝汗、手の痺れ、足の脱力感。いろいろあります。起立性調節障害という病名をよく聞いた時期がありましたが、どちらも自律神経失調症の様相があります。治療法としてはなにも変わらない気がします。**鍼をした後、胸のあたりに感じていた寒々しさが失せ、胸が温まったそう...
2023.11.04 00:19吐方と慢性上咽頭炎慢性上咽頭炎の治療をしていると、回復期の中盤から終盤にかけて痰をたくさん吐出する場合があります。今日も「前回治療後、オレンジ色の痰をたくさん吐いた」という報告を受けましたが、そういうことがあります。この現象がなぜ起きるのかを考えてみると、吐き出すべきものが上手く吐き出せていなかった人が、体力が回復するにつれてそれを吐き出せるようになってきた、、ということなんだと思います。上手く吐きだせないとはどういうことか。例えば「のどに張り付くような痰があって吐き出せない」という場合がよくあります。とても乾いている。それが治療をしていると、それが潤ってきます。咽頭部の細胞組織を内から潤すように分泌物が湧き、咽に染みつきへばり付いた痰が染み出してくるイメージを私はもっ...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.02.22 11:15不明熱腰の辺りから背中にかけて、不快な熱さが出てくるというご婦人。胸の圧迫感や動悸、歯ぐきの違和感などもあるそうです。更年期障害ともいわれそうな症状です。原因は不明です。こういった熱型の多くは虚熱として認識できます。針治療を続けていく中で”徐々に”不快な熱さが出なくなってきました。その直後から楽だという人もいますが、損耗した気血を回復させていくには時間がかかるのが普通です。
2023.02.10 00:45ミッキーが怖い輪読会で、桂枝去芍薬可蜀漆竜骨牡蛎救逆湯の章を読み、不安神経症について話題が及んだ時のことです。参加者のひとりから自体験を頂きました。彼女は産後にディズニーのアイスショ―を見に行ったそうな。しかし、なんだか調子が優れず暗闇が妙に怖かったそうです。そして、いよいよミッキーが登場した時です。あまりに怖くて、動悸や息切れがし、冷や汗をかいて発狂しそうだったそうです。自分でもなんだかおかしかったという。そりゃあそうです。イットなら話は分かりますがミッキーですからね。それで「これが驚狂ですか」という質問でした。その時に診察しているわけではないから同一かどうかは分かりませんが、産後は下焦の虚により鬱になる人もいますから似たような状態になっていたのかもしれません。怖...
2022.12.14 11:52かつてないほど楽。頭痛、肩こり、息苦しさ、倦怠感が主訴です。特に検査では問題がないそうです。ただ、症状は楽になりません。心下痞硬、下焦の瘀血がみられます。やや便秘。月経痛もあるそうです。5回目、「かつてないほど楽」とのお言葉を頂きました。刺絡もかなり合うようです。月経痛は月単位で見てみないとわかりませんが、よくなっていくはずです。
2022.12.03 06:38早打肩―心筋梗塞と足早打肩は、”はやうちかた”と読みます。聞きなれない言葉ですが、古くは心筋梗塞や狭心症を指しました。肩や胸に起こる強い持続痛が大きな特徴なので、このような名がついたのかなと思います。無痛性の狭心症もあるので適当とはいえませんが。動脈硬化の危険因子は加齢、肥満、喫煙、運動不足、高血圧、糖尿病等ですが、これらの高リスク群には瘀血が多いようです。足背や後脛骨動脉の拍動、下肢の静脈瘤や細絡の有無といった所見をわたしは参考にしています。早打肩には青筋という別名があります。我々は”あおすじ”と読むのですが、明代の龔廷賢親子が使い始めた言葉らしく、”悪血”が”下から上に”昇って心臓や脳に悪影響を及ぼすという考えです。上の病を、下にある悪血が問題だとした視点が面白いです...
2022.12.02 06:26胸がドキドキ胸がドキドキ。これは恋?いやいや落ち着いて。まずは脈拍を取ってみましょう。不整脈が出ていたら残念、それはたぶん動悸です。涙基本的に心臓性の不調は、身体を動かすと悪化します。歩くだけでもきつい、ましてや走れない。余計にきつくなります。あくまで基本の話で、たまに歩いても平気な人がいるので困りますが、、、それが”肩の痛み”として現れてくる場合もあります。最近、肩がつらいな~とマッサージばかり受けていたら、心筋梗塞を見逃されたという話もあります。そういう病気の鑑別って大事です。鍼灸師も臨床医学総論・各論などはやりますが、実際のところ鑑別までの時間は避けません。多くは卒後教育で自分で学ぶしかありません。
2022.12.01 06:14腹がドキドキ”胸”が、ではありません、”腹”がドキドキです。恋ではありません。腹ですから・・・。お腹がドキドキと動悸を打つことがあります。そして、腹ドキドキの背景にも色々あります。漢方の生薬による腹ドキドキ分類(笑)は面白いです。茯苓、人参、竜骨牡蛎による動悸はそれぞれ違いがあります。そこに桂枝を関わったり、甘草を加えたりして複合するのが漢方です。余談ですが、わたしはそれを鍼でやっています。さて。胸がドキドキとする病気の代表と言えば心疾患ですが、心臓とは無関係の不整脈や動悸があります。動悸や不整脈が出て苦しいから病院へ行くのですが、ついてしばらくすると収まってしまったりします。心電図や画像所見でも異常は取れないので、「気のせいでしょう」という話になりやすいようです...
2022.09.11 05:03胸脇苦満とパニック発作心煩、胸脇苦満。動悸、息切れと頭痛。漢方では柴胡加竜骨牡蛎湯証に相当するかもしれません。手の引き鍼と腹中に一本鍼。30秒ほどで頭痛動悸息切れは収まりました。2018年、過去のカルテからでした。その後も似たようことはよくあります。