2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.10.24 00:40熱が出て良かったこと体力が戻ってきたときに残っていた病巣を回復させようとする働きが起こってくることがあります。重要なのは、ここで一度発熱することがあるということです。ここで不摂生をしたり服薬で無理に解熱することなく、上手く経過しきると一段階状態がよくなることがあります。最後に発熱して大きく回復する人はよくいます。そういうことなく、気づけば回復していったという人もいます。様々なパターンがあります。これは『傷寒論』によれば自明の現象ですが、現代医学的に考えるならばやっつけ切れなかった病原体を免疫系がきちんと撃退しようとするのだと思います。ただ本当のところはわかりません。私の解釈です。感染病発症によって消耗していたり、不適当な服薬によって生命力が減弱している場合も同様です。「熱...
2023.10.21 00:25ブレインフォグ治療について新型コロナ後遺症関連の話の続きです。鍼治療はブレインフォグにも有効で大抵は速効性があります。しかし、生活の中で徐々にぶり返していく方があり共通点をみてみると、そのほとんどがデスクワーク従事者であることが多い。PC作業はどうしても脳内に熱を吹き溜まらせ精気を傷つけるからだと思われます。その内熱や腎精の損傷によって大脳の活動は低下します。それは顏、首、肩のこりとして自覚されやすいです。そのこりをほぐせば表面的には多少緩和することもできますが、しかしそれだけでは長続きはしません。発汗過多と痙または間違ったタイミングでの発汗法によって”痙”という病気になっている場合もあります。痙攣の痙です。痙病になる原因には葛根湯や麻黄湯で失敗したりする場合があると昔から言わ...
2023.10.18 23:55新型コロナ後遺症 回復への経過観察新型コロナ後遺症における治療で見えてきた、回復までのある特徴を図にしてみました。ある特徴とは、症状は段階的に減っていくという事と、時期によってメインとなる不調が変わっていくということです。それを治療の回数毎にして図示してあります(あくまでモデルです。2.3回で済む人もいれば数か月かかる人もあります。治し切らないまま終了したケースもあり色々です)。
2023.10.14 00:34四両発千斤の鍼 2偶発的であったとしても劇的に効かせられた。鍼灸師ならば誰でも1度や2度、そういう体験があると思います。それが鍼のちからなのですが、それを単なるマグレに終わらせずに安定的に発揮するためにはどうしたらいいか。そういうことを考えてきました。不遜な様ですが、実は慣れてくるとそれはそれほど難しいことではありません。理由があります。針灸治療は生業として成立しているので、毎日多くの人の治療を通じて実践が磨けるという面があります。そのため四両発千斤の世界に近づきやすいと言えます。毎回とはいきませんが発生確率も上がります。武術で実践するなら、この太平の世に連日ストリートファイトを行うことになります。なかなか実現しがたいのは当然です。大抵、患者さんが驚きます。その驚きや喜...
2023.10.05 00:45迷い「 」はしないよ今はどうかわかりませんが、おそらく日本の食卓では「迷い箸はしないよ」という躾がなされてきたと思います。それをもじって、我々鍼灸師は「迷い鍼はしないよ」と肝に銘じたい。勉強会参加者につぼを取らせようとすると、人に見られていることを意識するせいか誰もがみな自身なさげに、または迷いの果てにつぼを取ります。だから時間がかかります。しかもそうやって取ったツボは、たいていズレています。たいていは一番最初の直感が正しい。そう教えてあげても、その通り素直にやれる人は多くありません。ここで素直にできるというのはその人の頭と精神の柔らかさを現わしています。勉強すれば勉強するほど知識が邪魔をして、迷いは加速していきます。勉強するなと言いたい訳ではありません。知識を積み重るこ...
2023.10.03 00:35眼精疲労小児雀目。夜盲症について勉強会で学びました。先天性と後天性のものがあり、先天性は腎虚に脾虚が。後天性は肝虚に脾虚が加わると発症しやすいという。ビタミンAが不足がちな時代には多くみられた病気だそうですが、現代では見られなくなった。しかし、眼精疲労や各種の眼病に応用できます。目の不調は目に原因があると考えるのではなく、腎精・肝血といった臓腑の状態に由来すると考えます。実際に腎経や肝経からうまく補法をするとその場で目が明るくなったりします。他の経絡ではだめということはまったくありません。顔面のまわりに鍼をしても眼精疲労は緩和しますが、それだけではないところが鍼灸の良い所です。