体力が戻ってきたときに残っていた病巣を回復させようとする働きが起こってくることがあります。重要なのは、ここで一度発熱することがあるということです。ここで不摂生をしたり服薬で無理に解熱することなく、上手く経過しきると一段階状態がよくなることがあります。
最後に発熱して大きく回復する人はよくいます。そういうことなく、気づけば回復していったという人もいます。様々なパターンがあります。
これは『傷寒論』によれば自明の現象ですが、現代医学的に考えるならばやっつけ切れなかった病原体を免疫系がきちんと撃退しようとするのだと思います。ただ本当のところはわかりません。私の解釈です。
感染病発症によって消耗していたり、不適当な服薬によって生命力が減弱している場合も同様です。「熱が下がって良かった」のではなく、熱が出せないくらいに弱っている場合もあります。「風邪は治ったのにその後、何度も発熱を繰り返す」「熱は下がったけど咳だけが残った」等々、、、いずれもちゃんと風邪が治っていないだけかもしれません。生活に支障が現れるほどになると後遺症として認識されます。
そういう人たちは治療をしていくとちゃんと熱が出せるようになってきたりします。あとはそれをうまく経過させることができればいい。熱が出ておめでとうございますという話です。(*ただしすべてにおいて該当するわけではありません)
こういったことは鍼灸師はもちろん、医療者の間でも認識されてはいませんので非常識です。そのため争えば医学的には間違っていると言われて負けるかもしれませんがそういう事実もあります。
風邪を引いたらすぐ解熱剤を飲む、飲まねばならない等というのが古今東西普遍の真実などとは思わないことです。歴史的には現代日本人の方がよっぽどアブノーマルなのでは?という気がします。
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