2022.12.27 00:35暮れに思い出す言葉日既暮而猶煙霞絢爛 歳将晩而更橙橘芳聲遥か遠く。地平線の向こうに太陽は沈みゆく。寸前、最も赤く美しく輝いています。年は暮れても柑橘の香りは失われることなく、ことさらに芳しい。・・・そんな言葉です。なんと味わい深いことか。
2022.12.25 02:12歩くと飛べる一日10km歩くという方がいます。素晴らしい習慣です。健康のためにしているというよりは、「頭がすっきりして考えがまとまるから」だそうです。よーく理解できます。毎日はできませんが、考えをまとめるために私も同じことをします。身体をうごかして頭が空っぽになる時に、アイデアが「来る」感じがよくあります。普通だったら、結びつきあわないような物事がくっ付きあって、通常では思いつかないような解決が思い浮かんだりします。酸欠になった頭の中でバグを起こす(笑)のかもしれません。いい意味での思考の飛躍が起こります。しかし、準備段階としてその前に、考えつくすほどの情報量が必要です。悩みだって吹き飛んだりします。現代人はその逆を生きています。動かないで頭ばかりを使っている。概...
2022.12.23 09:26緊張すると腹痛下痢テストなどで緊張すると決まって腹痛がするという女子大生です。しばらく調子が良かったらしく、数か月ぶりの来院でした。病状は複雑で、陰陽虚実錯綜しています。核心部分では回復していない。または新たな刺激を受けて、新たにこじれていることもあります。推してダメなら引いてみろで、あの手この手を駆使しながら治療していくことになります。
2022.12.22 08:14緊張しても大丈夫鍼を始めてから、緊張性の腹痛・下痢が減ったという報告を受けました。大学の先生で、眼精疲労と頭重感がそもそもの主訴でした。お腹に鍼を打っていませんし、お腹を治そうとは思ってやっていたわけではありませんが、結果としてそういうことが起きていたとのこと。まぁそうなるだろうなとは思いました。ストレス耐性が付いた、とも言えます。また心持の問題というかコツがあります。今回はそういうこと抜きでよくなりました。
2022.12.21 03:001mmも良くならない不調色んな言い方ができるのですが、普段わたしは気血の状態を診ています。気とは気です。血とは物理的な異常です。そういう認識で診ています。それらに異常が見つけられれば、そこにアタックしていくだけです。それで好影響がみられるならば、それでよし。気血さえ整えれば済むという点では、まだ軽いほうだといえます。それらの所見で不調との関連や異常が明確でない場合は、難しい治療となります。分からないなりにやっていく手段もあるのですが、それでも1mmも変わらない人がいます。そうなるとわたしにはお手上げです。あの手この手と限りを尽くしたものの、歯が立たないということはあります。そんなケースの治療後。ひとつ面白い話を耳にしたことがありました。わたしの所で取り切れなかった不調が後日、...
2022.12.20 03:00緊張するとお腹が痛い発表の前、会議の前。精神的な緊張がおこると下痢をする、腹痛があるという人がいます。というか、結構多いと思います。原因不明の腹痛と下痢。過敏性腸症候群という名でくくられていますが、原因は不明です。いままで治療してきた中で、あらゆる方法を試みたもののまったく変わらない、効果が出せなかった人もいます。症状の一部が良くなる人もいますし、短期間でかなり良くなるという人もいます。かなり差があります。所見からうかがえる”こじれ具合”も重要ですが、見えるものだけではないようです。
2022.12.17 01:45消えないにきび鍼がにきび痕に効く理由としては色々言われています。にきびの周りにわずかな傷をつける(創傷)ことで、細胞再生が促され、瘢痕も吸収されやすくなります。細菌感染がある場合は免疫反応を助けることで回復が早まります。まぁ、それで消せるのであればなんとでも言えるところです。消えなければなんの意味もない。陽気の行りが悪かったり、毒が多かったりすると、瘢痕がなかなか消えません。数年経っても消えないニキビが火鍼を始めてから消えはじめたりするのは面白い現象です。臓腑経絡にある寒と毒が、新たな肌肉の再生を阻んでいると言えます。瘀血があると新血は生まれないとは唐容川の言葉ですがまさにそうと言えます。とはいえ、火鍼や刺絡という方法が最重要なのではありません。課題に言いすぎたかも...
2022.12.16 01:20にきびができる所にきびができる、できないという問題。次に、”どこに”できるかという問題があります。顔にできる人、体幹部にできる人。お顔といっても、どこにできるか。あご回りなのか、おでこなのか・・・話が変わってきます。前回紹介した、腰回りにできる場合だと下腹部の問題が反映されているのは普通です。女性で下腹部の問題という場合は、月経が関連している場合が多いです。毒があり、寒がある場合は、なかなか動きません。ある程度の熱量が必要で、お灸は良く合います。ただ、熱量を加えるだけでもなかなか動かないので、工夫が要ります。
2022.12.15 03:05腰回りのにきび腰回りの痤瘡。にきびです。腰回りに広がっています。瘢痕となって黒く色素沈着した感じもあります。瘀血・食毒の存在が伺われます。脂っこい食物や甘い物、濃い味付けが好きな人が多いです。婦人科が関連している場合もよくあります。普通の刺鍼でも有効ですが、刺絡や火鍼はよく適応します。
2022.12.14 11:52かつてないほど楽。頭痛、肩こり、息苦しさ、倦怠感が主訴です。特に検査では問題がないそうです。ただ、症状は楽になりません。心下痞硬、下焦の瘀血がみられます。やや便秘。月経痛もあるそうです。5回目、「かつてないほど楽」とのお言葉を頂きました。刺絡もかなり合うようです。月経痛は月単位で見てみないとわかりませんが、よくなっていくはずです。
2022.12.13 02:50葛根湯が合わなかった風邪だと思って、市販薬の葛根湯を飲んだそうです。だが、どうもそれから余計に頭痛が酷くなってしまったという。昨晩、寒気と頭痛があったそうです。それで風邪かな、と思い服用したと。「ほかに変わったことはありませんでしたか?」と聞いてみますが、「特にはなかった」とのこと。本当かな・・・。もっと絞った質問をしたほうがよさそうです。見てみると舌苔も厚く、むしろ裏に入って熱化している感じがあります。もう少し問診してみると、2日ほどまえから食欲が減り、味も分かりにくくなり、便秘ぎみになっていたとのことが分かりました。ほらね。(というか、私の聞き方がよくなかったですね)可能性としては、昨晩の時点ですでに中期に入っていたのだと思います。葛根湯は効くのはごく初期。表に邪気が...
2022.12.11 06:38学生に鍼をしてもらう3続きです。この人体の防衛反応は想像以上に早く、こちらが押す前から始まっています。術者のこころに「押そう」という念が生じた時点で、すでに相手に緊張が生まれています。不思議な気がしますが、一言で言えば「気配」という事なのでしょう。動物的な直感がまだ人間にも働いている証です。学生に切皮をしてもらう2022.11.20に話が戻りますが、学生の鍼がどうして素晴らしかったのかというと、「我」がなかったからだとわたしは思っています。良くも悪くも「治そう」「入れよう」という意気込みも、「痛くないようにしよう」「失敗したらどうしよう」という恐れもなかった。本人はまったく自覚はありません。武術でも「当てよう」では当たらないとよくいいます。『魔女の宅急便』でもキキが一時期、...