そんなお言葉を頂き、嬉しく思ったという話です。
わたしの治療は触診から始まります。
人が「頭が痛い」と言っているのに、手を取って指先を見つめたり、ふくろはぎに触ったり、、、そのうちセクハラで訴えられなければいいのですが。
無遠慮にべたべたと触って、改めてすみません。
あまり触診をしない鍼灸治療もありますので、そういう治療ばかり受けてこられた方は驚くかもしれません。しかしいまのところ、わたしは人体に現れる反応を触診で拾うことを大切にしています。
以前のわたしの治療はそうではありませんでした。
あまり触診をしませんでしたし、そもそも触診をしてもぜんぜんわからない。どこがどう悪いのかかなりぼんやりしており、かなり悩みました。あまり関係のない反応を拾ったりもしていました。
「河原君は、頭で考えすぎる。だから、よく観えないんだ」
師や先輩方からは常々そう言われてきました。
実際、そうだったと思います。確かにお勉強はよくした方だと思います。
だって、分からないことが多すぎるから・・・
学習・研究のために余裕で1000万以上はつぎ込んだ、気がします。
我ながらなかなかのアホです。
10年くらいはそんなこんなで頭でっかち。理屈優位な鍼をしていたと思います。
夢に見るほど寝る間も惜しんで学びます。しかしこういった知識は迷いとして雑念も生みます。そのため、次には覚えたことを捨てて忘れていかねばならないのですが、それがまた容易ではありません。
しかし、経験を重ねるごとにいつしか雑念も減り、体の反応がよく見えるようになりました。
そうなる前に死ぬほど勉強しておいてよかったし、それがあったから見えるようになったのだとも思います。ただ、終わりや完成はなさそうなので絶えず精進です。
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それで話が戻ります。
診察中、わたしが辛い場所を次々に的確に触診できていたからなのでしょう。「い、色でもついてるんですか?」というお言葉を頂けたという話でした。ありがたい。
こういう時はよく効きます。
こういうことをもっと増やしたい。
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