しつこいですが指先の話をもうひとつだけ。
瘀血に対する治療として、桂枝茯苓丸を処方されている方がいます。主訴は唇のヒリヒリ感と肛門痛です。適切な処方のようで、飲み始めてからご持病が軽くなってきています。
ところがふらつきなどの貧血様症状と、爪に小さなボコボコが出てきて荒れる面があるそうです。四物湯を飲んでいる期間は、爪の状態は良かったのですがご持病の方は楽にならない。
爪が荒れるといっても、すべての爪が荒れる訳ではないのがみそです。
左手の親指、人差し指だけが荒れています。
写真では親指だけ写しています。確認しにくいですが、微かにボコボコとして元気がないことがわかると思います。
お腹を押してみると、おへその左側に硬いしこりがあります。(天枢穴から大巨穴の辺りです)。
四物湯ではこの硬結が緩みません。
桂枝茯苓丸だと緩み始めてからはどんどん緩んでいっています。
硬いところはただ緩めればいいという訳ではありません。ただ、この場合に関しては緩むことによって持病が減っていくので、関連があるとみなすことができます。
このケースで起きているいくつかの現象を、ひとつの物として理解するのには、臓腑経絡説という概念を用いると良さそうです。
ついでなので、次はこういう理屈の魅力と欠陥についても述べたいと思います。
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