2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.07.11 01:16梅雨の湿疹2抗生剤によって腸内細菌の菌交代現象が起こっても湿疹はよく出るようです。その現れるラインや分布をみていると、意味を見て取ることができたりします。ある人は足の陽明胃経沿いに湿疹が出ていました。脾胃の失調が根底にある湿疹。湿気は脾胃との親和性があります。抗生剤により脾胃の気がやられていたところに湿邪に入られ発症したとも言えます。お灸がいいですが、鍼もいいです。
2023.07.08 01:09梅雨の湿疹「ダニに刺されたんじゃないか・・・?」と言っておられる方がよくいます。梅雨はダニが発生しやすい時期ではありますのでそうかもしれません。しかし、この時期は風寒の邪に破られやすい時期でもあります。暑いと思ったら寒かったり、職場ではエアコンが効きすぎていたり、夜明けに寝冷えをしてしまったり。そうして皮膚の調整機能がおかしくなってしまい、発疹やかゆみがでやすくなる。であれば、問題は風寒の邪を除くことであり、ダニ除けマットや塗り薬ではないということになります。そういう観点から鍼をしていると実際によくなります。まぁダニ刺されであったとしても、鍼をすればはやく消えると思いますが。
2023.04.25 08:141%の真実アトピー性皮膚炎の患者さんです。皮膚には乾燥と発赤があり、お顔も紅潮しています。あたまは熱く感じるという。口に乾きも感じ、舌をみると黒苔が出ています。このような感じで所見をみてみると、ことごとくが熱証を示しています。熱証99%で寒証は1%。こういった場合、ふつうは熱証と診断するのですが実は寒証でした。実際、足の灸頭鍼で黒苔が落ち、症状は軽くなりました。熱証であれば悪化します。つまり冷えが主体であったということです。大抵は99%の方が正解なのですが、1%の方に真実があることもあります。しかし、その1%を見抜くスコアや評価法があるわけではないため、1%の方を選び取るのは通常困難です。というか、選択肢からも早期に除外してしまう方が普通です。そこはもう理屈では...
2023.04.22 08:20的を得るのは容易ではないある方の脂漏性湿疹に対して、黄連解毒湯に四物湯、六君子湯が出されています。最近、飲み始めたそうです。しかし、その患者さんの相貌全体から漂う雰囲気から、どうも生命が”小さく”しぼんでしまったかのように見えました。その方の体質からするとかなり攻める処方なので、負担が大きい様子です。そこからさらに白虎加人参湯が追加されました。さらに攻めるようです。攻める時は攻めねばならないのですが、的を外してはいけない。ところが的を得るのはベテランでも容易ではない。適量もあります。鍼はこういってはなんですが”大体”でも結構効きます。でも、漢方は本当に難しいようです。棒灸を使って補気、補腎に努めたところ調子が良いそうなので、やはり攻め過ぎていたきらいがあります。とはいえ、補気...
2023.04.13 00:29発熱でお肌きれいお肌にカサカサがある女の子です。月一の治療を続けること数か月。大分良くなってきていました。それが年始にインフルエンザにかかり発熱したという。それ以来、もう一段階ぐっと肌が綺麗になりました。このお母さんはかつて私の健康講座に来て頂いていた方なので、この辺のメカニズムをよく理解しておられます。抗ウィルス薬や市販の解熱剤などを飲ませたりされるのが普通だと思います。しかし、それだとしっかり熱が出ない。熱が出させないからいろいろと治らない面があります。
2023.01.07 11:49塩梅が難しいアトピー性皮膚炎で治療中の方です。初診時には必ず今飲んでいるお薬を確認するのですが、処方されている漢方が攻めすぎなのが気になっていました。攻めねばならないところは攻めるべきなのですが、攻めすぎると消耗するのです。それで私は消耗を回復するような治療をこころがけました。そうするとすごく調子が良い。それでお薬を飲み忘れる日が続いた時、ふと体調が良いことに気付いたそうです。思い切って飲むのを止めてしまったら抜毛も減り、睡眠もよくなってしまった。素晴らしい処方で、過去には合っていた時期もあるのでしょうが今はそうではなかった。証は変わっていくものなのでその都度合わせた方法が必要です。漢方を的中させるというのは本当に難しいことなのです。的中させ続けるのはプロ中のプロ...
2022.12.17 01:45消えないにきび鍼がにきび痕に効く理由としては色々言われています。にきびの周りにわずかな傷をつける(創傷)ことで、細胞再生が促され、瘢痕も吸収されやすくなります。細菌感染がある場合は免疫反応を助けることで回復が早まります。まぁ、それで消せるのであればなんとでも言えるところです。消えなければなんの意味もない。陽気の行りが悪かったり、毒が多かったりすると、瘢痕がなかなか消えません。数年経っても消えないニキビが火鍼を始めてから消えはじめたりするのは面白い現象です。臓腑経絡にある寒と毒が、新たな肌肉の再生を阻んでいると言えます。瘀血があると新血は生まれないとは唐容川の言葉ですがまさにそうと言えます。とはいえ、火鍼や刺絡という方法が最重要なのではありません。課題に言いすぎたかも...
2022.12.15 03:05腰回りのにきび腰回りの痤瘡。にきびです。腰回りに広がっています。瘢痕となって黒く色素沈着した感じもあります。瘀血・食毒の存在が伺われます。脂っこい食物や甘い物、濃い味付けが好きな人が多いです。婦人科が関連している場合もよくあります。普通の刺鍼でも有効ですが、刺絡や火鍼はよく適応します。
2022.12.09 02:51便秘と肌荒れ手の指先の荒れが主訴です。それほど邪気も強くなく、これといった所見がとれませんが、よくみるとわずかに手首の腫、頭部にもわずかな反応。「便秘は?」と聞くと、「便秘している」とのこと。やはり。金の鍉鍼で治療しました。よく便も出て、肌荒れも減ったらしく、お礼に? じゃがいもを沢山頂きました。
2022.11.18 00:28けいれん性発生障害2続きです。けいれん性発生障害とは、声帯に異常緊張が起こるために生じると考えられており、ボトックス注射(緊張緩和させる)を打ったり、手術が行われるようです。ただ、注目すべきはなぜ緊張が起こるのかということ。緊張はたんなる結果であって原因ではありません。ですが、緊張する原因が不明なのです。中枢神経系の制御に問題がある場合が指摘されていますが、「ちからが抜けない」という訴えも代表的な症状の一つです。自分で自分の体のコントロールができない。まだ一例見ただけ、という前提でですが、臨床的には食いしばりや歯ぎしりとも関連が深い、似通ったものを感じます。原因不明で決定的な治療法もないという点でも近しい。東洋医学的には、瘀血・血虚・心神の問題がベースにある点でも同じもの...
2022.11.17 03:05けいれん性発声障害けいれん性発声障害と診断を受けていたそうです。それが大分よくなったと報告をうけました。声を出そうとすると、かすれる、震える、音域が狭くなる、声量が落ちる等、思うようにでない。局所性ジストニアともいわれていますが、原因は不明です。実はこの方、元々はアトピー治療で来院されていまして、”声”と”肌”が同時進行で良くなっていったことが面白いです。わたしは鼻腔粘膜の機能は、五臓では肺との関連が深いと思っています。一方で、肺は皮毛(皮膚)をつかさどる。皮膚がよくなれば、粘膜系の状態も好転するのは当然の理屈なのですが、それが発声にも関わっていることが分かりました。