2024.04.25 00:39無菌性膀胱炎結構多いお悩みです。なんの炎症反応もなく、単なる頻尿くらいの症状なのにこういわれている人がいます。診てみると足の厥陰肝経の変動でした。胃経、腎経へと反応は移り、最終的には仙骨に集約されていきました。こうやって見てみると、経絡は必ずしも理論通りの一本の線として連なっている訳ではない事がわかります。
2024.04.16 00:15憑き物に甘草瀉心湯『金匱要略』百合狐惑陰陽毒病脈証第三ここに狐惑の病について記述があります。狐惑の"狐"とは陰部にできた潰瘍を、"惑"とは喉にできた潰瘍のことを言い、症状としてはある種の精神異常を起こす病だと言われています。粘膜のただれなどという点でいえばベーチェット病のようなものにあたるのではと成書にはあります。夜中に起きて舞を舞う。それがまた気味が悪いくらい上手く踊るのだという。このままでは嫁にやることができないから、どうにか治してほしい。そうして、そんな娘を甘草瀉心湯で治したという話があります。甘草瀉心湯は基本的には消化器系の症状に使う薬方ということになっていますがこのような例に応用できると言うのが面白い。初めて読んだ当時は「そんなこともあるんだな」くらいで受けて...
2023.12.19 01:05ハートウォーミングな鍼鍼をしていたら、胸がポカポカ温まったそうです。体位性頻脈症候群(POTS)、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)をお持ちの方で、新型コロナ感染後からの不調です。横から起き上がるとふらつきを覚え、身体を起こしておられない。この時に心拍数が大きく上昇。運転・歩行中、どこに視点を合わせたらいいか分からなくなる。イヤホンがダメで、大声で歌えない。悪天候で不調が増し、スマホも見れない。人込みでめまい。中途覚醒、寝汗、手の痺れ、足の脱力感。いろいろあります。起立性調節障害という病名をよく聞いた時期がありましたが、どちらも自律神経失調症の様相があります。治療法としてはなにも変わらない気がします。**鍼をした後、胸のあたりに感じていた寒々しさが失せ、胸が温まったそう...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.09.22 23:45ストレス・自律神経・上咽頭「ストレスが原因だ」という話はよくありますが、実際のところなんの解決にもなりません。ほとんど何もいっていないのと同じです。「自律神経の乱れ」というのももっともらしいですが同様です。最近は「慢性上咽頭炎」がメジャーな概念です。解剖学的部位に原因を定めた点では確かに異なりますが、そこからが雑過ぎます。ストレス説と大差がありません。人をみればとりあえずBスポットをやっている。当たるも八卦当たらぬも八卦の世界です。虚が主体の咽頭炎もあれば、実が主体の咽頭炎もあります。十二経絡でみても同様です。そういう発想がないまま、上咽頭だけをみていても非効率です。陰と陽、寒と熱、様々な視点から捉え直すのが東洋医学の良いところです。それはとても具体的だからです。例えば脈やお腹...
2023.09.09 00:05焼け石に水治療。そして水滴石を穿つ。慢性的な頭重感と四肢の痺れ。手足のしびれは手袋・靴下状になっている。多発神経炎に近いですが、病院での各種検査では特に異常はない。肥満、頭重感、上腹部のつっかえ、悪心、倦怠感、舌湿やや紫暗に白膩苔、脈弦滑。職業柄、一日にカレーを7杯食べるような日常。。。食毒に間違いなし。やや小便不利。その他の腎系統の不調はない。治療するも「多少マシ」という程度。12回目の治療で初めて頭痛が取れました。手足の痺れはなかなか取れずらいものの徐々に減退。「一日にカレー7杯」とか「パンを15個」という話を聞いた時点で、「それだけ食べる生活を続けながら治すのは難しい」という話はしましたが、「止められない。だから食べながら治してほしい」という。「焼け石に水になりますよ」というとそれ...
2023.06.17 00:50気象病と寒続きです。附子は寒を去ります。附子とはトリカブトなので使用に注意が要り薬物で、かつてはトリカブト毒殺事件がありました。しかし、それだけの毒性があるからこそ起死回生の妙薬にもなりえます。偏性をもって偏性を正すわけです。起死回生の妙薬ですから、ここぞという時には思い切って使うないといけない。その判断は技術と経験と覚悟のなせるわざなのでしょう。鍼の場合はそこまで難しいことはありません。別にお灸があるからという訳ではなく、鍼だけでもかなりの虚寒が減らせます。寒が減るとあまり天候に左右されなくなるようです。
2023.06.08 01:05怪我を繰り返す2以前、紹介した陸上男子の件です。その後、何度も治療する必要がありましたが、だいぶ良くなりました。膝や足首が問題というよりも内傷病的で、五臓のダメージがあります。そこを回復するようにしていくと、なぞの疼痛が出なくなっていきました。良かった良かった。整形外科的な視点からは明確な問題はありませんでした。それでもたしかに痛みがある。走れないし、歩くのもいたい。現代医学での概念では説明不能な症状です。そのため、心因性とかストレス性とされている場合がよくあります。本当に精神的な面が大きい場合もありますがそういうケースではありませんでした。東洋医学では、手足の痛みやしびれは広く”痺症”といいます。今回の痛みは遊走性で風の様に掴まえ所がない特徴から行痺、または風痺に該...
2023.02.22 11:15不明熱腰の辺りから背中にかけて、不快な熱さが出てくるというご婦人。胸の圧迫感や動悸、歯ぐきの違和感などもあるそうです。更年期障害ともいわれそうな症状です。原因は不明です。こういった熱型の多くは虚熱として認識できます。針治療を続けていく中で”徐々に”不快な熱さが出なくなってきました。その直後から楽だという人もいますが、損耗した気血を回復させていくには時間がかかるのが普通です。
2022.12.23 09:26緊張すると腹痛下痢テストなどで緊張すると決まって腹痛がするという女子大生です。しばらく調子が良かったらしく、数か月ぶりの来院でした。病状は複雑で、陰陽虚実錯綜しています。核心部分では回復していない。または新たな刺激を受けて、新たにこじれていることもあります。推してダメなら引いてみろで、あの手この手を駆使しながら治療していくことになります。
2022.12.21 03:001mmも良くならない不調色んな言い方ができるのですが、普段わたしは気血の状態を診ています。気とは気です。血とは物理的な異常です。そういう認識で診ています。それらに異常が見つけられれば、そこにアタックしていくだけです。それで好影響がみられるならば、それでよし。気血さえ整えれば済むという点では、まだ軽いほうだといえます。それらの所見で不調との関連や異常が明確でない場合は、難しい治療となります。分からないなりにやっていく手段もあるのですが、それでも1mmも変わらない人がいます。そうなるとわたしにはお手上げです。あの手この手と限りを尽くしたものの、歯が立たないということはあります。そんなケースの治療後。ひとつ面白い話を耳にしたことがありました。わたしの所で取り切れなかった不調が後日、...
2022.12.08 02:51倦怠感と筋肉痛「新型コロナの後遺症かもしれない」といいご来院されました。倦怠感とからだ全体に痛みがあるので辛いとのこと。しかし近年、発熱したこともなく、新型コロナにかかった記憶もないそうです。筋痛とだるさは関連があります。また、複数ある”痛む場所”にはある特徴がありました。線維筋痛症の診断所見を満たしています。他の既往歴からも関連を想起しました。ただ、その可能性を伝えてもあまりいいことはありません。診断名が確定したとしても、現代医学では有効な治療法がないからです。線維筋痛症の治療でもっともエビデンスが高いと言われている治療法は鍼灸と言われていますので、そのまま治療をしました。結果としては大分良いそうです。線維筋痛症と診断されていたとしても、内実は様々です。数回でよく...