前回、随証治療のすばらしさを説きました。
それとは別に病名治療もあります。
「痔の治療はこうすればいい、ここに鍼をすればいい」というものです。
腰痛のツボ、生理痛のツボとか、慢性上咽頭炎のツボとかそういう思考です。
とても素人的です。
ですが、多くの専門家もこの程度の認識と知識で治療をしています。
それがすごく嫌だったので、できるだけこういったやり方は避けてきました。
しかし、時にこういう素人っぽいやり方の方が効くことがあります。わたしはそれを面白いと感じます。
で。
とあるBさんの場合。
通常通りの治療をしても特にBさんの痔の改善はありませんでしたので、百会のお灸を加えてみることにしました。痔に百会穴の灸は有名なのです。そして確かに効果がありました。よく効いたとのこと。お灸の後すぐ、ただれた部分が乾燥してかさぶたとなり治癒したそうです。
結果オーライといえばそれまでですが、ただ病名治療だけでやっているとなぜ効いたのか分からない。再現率が低い治療となります。しかし、そこの間をつなげていくと名灸穴の必然や妙用が見えてきたりして面白い。謎もまた面白い。
横田観風先生も「名灸穴の研究は面白いからしてみると良い」と仰っていましたが、その通りだなと感じます。
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