2024.03.30 00:14名前のないツボ2こういった、名前はなくともよく効くツボのことを横田先生は生きたツボと呼んだのだと思います。先生は「生きたツボをとれ」と常々仰られていましたが、生きたツボが取れると小さな刺激でも大きな効果を出すことができます。しかし、そのためには繊細な感覚がないとできません。そう言うとよく手先の繊細さのことかと思う人がいますが、必ずしもそう限定したものとはいえません。というのも、手先の器用さでは自信があった私でも初めはほとんど分からなかったからです。「ここにツボがある」と先生に指南して頂いてもまったく分からない。オカルト的に感じて早々に断念する人たちもいましたが、その気持ちは理解できます。私には強い信念があったので粘れましたが、でなければ私も断念していたかもしれません。...
2024.03.22 10:58名前のないツボめまいがするという。耳の辺りからめまいが来ている感じがするとのこと。調べてみると手の三焦経の一本内側にツボがありました。そこに本来ツボはありません。変動穴といってもいいかもしれない。中心に強い実の反応があったので瀉してみると耳の違和感が消失。歩いてもらうとめまい感がありませんでした。名前のないツボということになりますが、それでも効くという事実は面白いです。
2024.03.16 00:55梅核気と月経異常梅核気が久しぶりに出たとのことですが、振り返るとここ数カ月の月経がおかしかったという。咽の不調の診察をしていて見つけた少腹急結ですが、少腹急結はそもそも月経異常にも大きく関わります。少腹急結とは漢方の用語であり、下腹部に現れる反応をいいます。下腹部が硬い=少腹急結と捉えている医師も多いようですがそうではなく、少腹急結という診断要件を満たすにはいくつかの条件がそろう必要があります。そこは専門知識がいるところなので省きますが、なにはともあれ少腹急結があれば瘀血の存在を示唆します。前回述べた経緯から、このかたの梅核気は瘀血であったといえます。また瘀血は月経異常にも関わります。ここ数カ月の月経異常が解消されないまま春に突入してしまったがために現れた梅核気だった...
2024.03.14 00:30梅核気と少腹急結「久しぶりに梅核気になった」という女性。梅核気とは、ヒステリー球ともいわれる咽の違和感です。漢方医に小柴胡湯に五苓散を処方されたものの、あまり効き目がないらしい。梅核気とみるや、半夏厚朴湯を出すようなテンプレ処方がなされることが多いですがそうではない。ちゃんとした診察を受けた上での処方のよう。診察させて頂くと、確かに小柴胡湯も五苓散も良さそうな気配。しかし、少腹急結による影響が大きく思われ、その処置をしてみると咽の違和感はその場で消失。ついでに頭痛も取れたという。ビンゴでした。薬方ならばもっとほかの処方ならよかったのかもしれない。「病名」と「治療法」を固定化させることができないいい例です。
2024.03.09 00:42天地が痞えて上咽頭炎前回から続いています。気が胸が痞えているだけならばまだそれほど症状が深いとはいえませんが、そこに痰飲が絡むと大変です。交差点の信号が壊れているのと、交差点でトラックが横転しているくらいの違いがあります。逆に分かりにくいかもしれませんが。痰飲が絡む場合はただ胸が痞えるというのではなく、重苦しいという雰囲気になります。痛みを伴う事もある。これを胸痺、酷いと結胸といいます。動悸・息切れ・不安症が伴う事も多く心臓病を疑われます。しかし大抵、心蔵に異常は見られない。せいぜい期外収縮が見られる程度。新型コロナ感染後にこういう状態になったという人が多く来院されています。病名としては逆流性食道炎といった辺りに落ち着くようです。後鼻漏も頻発します。こういう場合、最近は慢...
2024.03.02 00:25天地が痞える2「否」に「疒」で”痞”であり、”否”とは周易において「塞がる」の意味があります。天地否=䷋痞えるとは塞がる病であり、人体における陰陽、天地が塞がる病です。天地陰陽の不調和を現しています。ではなぜ天地が塞がってしまうのか。天が問題なのか。地が問題なのか。整体なんかでよく「首を整えればすべての不調は治る」とかいったりしますが、いわばそれは天だけが問題であるとし、天だけで問題を解決しようとするものです。逆にある人は地が問題だと考える。「骨盤矯正を治せばなんでもなおる」みたいな謳い文句がありますがそういう思考です。でも問題のすべてが首だけ、骨盤だけということはありえません。そういう単純な話の方が一般受けしやすいですが、分かりやすい話には偏りがあるので大体、真実...