血の消耗による目の不調は多いのですが、視点を変えて臓腑経絡説からすると足の厥陰肝経と関連が深いという事もできます。しかし、すべての目の不調がこれで説明がつくかというとそうではなく、ただ単に風寒の邪に傷られただけという場合もあります。
緑内障が急激に進行したという方がおられました。
元々、眼圧が高めだったものの、なぜかこの2週間で急激に悪化。原因はよくわからないという。しかし、必ずなにかあったはずです。ただ、その何かがわかりません。東洋医学の視点がないからです。東洋医学的な視点でみたらある程度の目星がついたりすることはよくあります。
この方の場合は、夏特有の要素。エアコンによる冷えが目の深い場所に影響したといえました。「そんな事で目に影響するはずがない」というのが西洋医学での常識なのですが、逆に言えば、そんな事でさえ影響するのだという視点がないからこそ、原因不明で終わってしまう。目と冷え。季節の変化に影響を見いだせるのが東洋医学のいい所です。
で。ここで「目の治療」みたいな発想は西洋医学的です。そんなことをやっていても、、、まぁそれはそれでいいのですが、それだけだと効果は薄い。
この時は目の治療ではなく、体から風寒の邪を取り去ることを主眼として治療を進めていくことで眼圧が下がりました。目の付け所で結果はかなり変わると思います。たとえ緑内障が悪化しても、こういった原因で視力低下しただけであった場合、初期であれば、悪化時点のレベルに戻せる可能性はあるということです。
ここで放って置くとおそらく、低下したままで固定されていくのでしょう。こういう視点に立てば、長く目の健康を保つことができるはずです。小さな変動を放っておかず、その都度ケアしていく。これが私が考える東洋医学的、目の経過観察です。
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