バリカタとは言わずと知れたラーメンの麺の茹で加減のことです。柔らかめ、普通、カタ(硬め)、そしてバリカタがあります。
この入浴法を取り入れることで疲労感、抜毛白髪、咳、関節のこわばり、神経痛が減った方。視力が回復した方もいます。健康のベースとなるところに影響するので、あらゆる不調に好影響を与える可能性があります。
今回、提唱するバリカタ入浴法とは2015年頃に私が考案し命名しました。
現状では入浴は長く入る事だけが正解という風潮になっています。たしかに長湯するメリットはありますが、実は誰にでも合うわけではありません。むしろ入り過ぎている人もいます。バリカタ入浴法には、思っているよりも、かなり早く上がっていいという意図が込められています。
人によって、体調によってベストな入浴時間は変わります。ぜひ、その調度いいところを見つけて欲しい。自分の中の調度いい所が分かると、それが指標になります。温めれば病気が治るみたいな安易な言葉に惑わされにくくなります。
この入浴法は、傷寒論という医学書を読み続けたなかで気付いたものです。はじめは直接、診察した患者さんだけにしかお教えして来ませんでした。そして確かに効果があり、こんな単純なことで健康が左右されるのならば、私が独占しておくには勿体ない。それでこの度公開しています。
細麺タイプか太麺タイプか
ここからの話を分かりやすくするために、体質を麺の太さで2タイプに表現してみました。
太麺項目に多くが該当したあなたは太麺タイプです。太麺のあなたは、基礎体力もあり、比較的長く湯に浸かれます。踏んでも壊れない頑丈な身体なので、こんな入浴法など気にしなくて大丈夫です。ただ、疲労感が強い時や寝不足、体調不良がある時は当然気をつけるべきで、そういう時は茹で上がりやすい。リンパ節に腫れがある時も慎むべきです。
体質的には毒(食毒・水毒・瘀血)が多いタイプなので、汗をかくことで解毒します。しかしこれにも限度というモノがあります。
細麺項目に多く該当したあなたは細麺タイプです。そよ風が吹いても不調になるくらいの弱さなのでバリカタ入浴法適応です。細心の注意を払い入浴してください。
細麵のあなたは、基礎体力が少なく、バテやすい。すぐに茹で上がってグデグデになってしまうので、ちんたら長湯に浸かったりしてはいけない。基本はカタ、またはバリカタで上がりましょう。体質的に温泉にも長く入れないし、サウナもホットヨガも基本的に合いません。
しかし、意外と細麺タイプの人がぬるま湯で読書をしたり、1時間も2時間も頑張って湯に浸かっていたりする。「冷え症だから長く入った方がいいと思っていた」という声もよく聴きますが、暖めるほどに熱は汗として放出され冷え症は加速します(ちなみに実は私もこの細麺タイプです)
以下、この分類法を使って説明していきます。
やり方
では、あなたにあった入り方を探っていきましょう。
指標となるのは入浴中・入浴後のあなたの体調です。
浴槽から上がった後、ふらふらする、かえって疲れる、ぐったりするのであれば、間違いなく入り過ぎです。思い切って入浴時間を短縮すべきです。目がしょぼしょぼするとか、鼻水やくしゃみが出るのもよくありません。これも時間を短縮すべきです。
このように入浴後に反って弱ってしまう、冷えてしまう人は細麺タイプで、茹ですぎです。もっと早く! カタ、またはバリカタで上がることを意識してください。
逆に入浴後はすっきり爽快になるだけで、なんの不調も現れない人は太麺タイプであるか、または調度いいくらいで入れていると言えます。
先程も述べましたが、目安のひとつに「目」の状態を見ておくのは分かりやすいと思います。
入浴して温まってくると徐々に目がはっきり・すっきりしてきます。そうであれば上がるタイミングはその辺です。
それ以上入りすぎると今度は目がしょぼしょぼ・ぼんやりして見えづらくなってきたりします。おそらく入り過ぎです。
細麺はぼやっとしていると、すぐに入り過ぎになります。「気持ちがいいなぁ~もう少し入っていたいな~」からせいぜい+1.2分以内で上がる方がいいでしょう。
今回は「浴槽に浸かる時間」に注目して述べました。温度にもよるところがありますが、しかし大切な指標は概ね示せたと思います。まずはここから始められるといいでしょう。
私個人のこと
私がこの事に気づいたのは確か30代でした。それ以来実践してきて思う事は、同年代の友人たちと比べて、私は比較的若さを保っているという事です。多少、髪のボリュームが減った気はしますが、白髪も少なく、アレルギーや頭痛も減りました。入浴法だけで保てているとはいえませんが、間違いないなく関わっています。
私個人の生活でいえば、夏はシャワーしか浴びません(冷水ではなく温水)。週末だけは入浴するようにしていましたが、近年は暑すぎるのでそれも意図的に控えています。
秋冬になり、徐々に気温が下がってきた頃に入浴を再開します。寒いのでさすがに毎日湯に浸かりますがせいぜい5分~10分程度。10分は入っていないかもしれません。30分も入ったらグデグデになります。
いかがでしょうか。「〇〇度のお風呂に〇分つかる」と定義するできるようなものではないことが理解頂けたでしょうか。適量は若者と老人では違いますし、運動部と文化部でも違いますし、夏なのか冬なのか、基礎体力の差や持病の有無によっても変わってきます。そのちょうどいい所を探っていきましょうというのが主旨でした。そのため害は起こしにくいと思いますが、とはいえあくまで自己責任でお願いします。特に御持病のある方はこれに限らずなんでも慎重に少しづつ試みることが大切です。
調度いいところを掴むまでは、失敗することもあるでしょう。しかし、失敗を恐れては丁度いいところを掴むことはできません。なのでまずは少しづつ試して、変化を観察することが大切です。
ひとつの指標にしてみて下さい。
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