避けられないもの

私は仏教徒という訳ではありませんが、医療者として考えさせられる言葉があったので、それを題材にお話してみたいと思います。

人生には避けられぬ人生の苦しみとして「生老病死」があるそうです。医王と呼ばれたお釈迦さまの「四苦」の教えです。しかし、それを知った時、「未病」を唱える東洋医学者としては、「病は死と同じく避けられぬものなのか」とショックを受け、心に残りました。

現代のように複雑で荒んだ時代を生きていく事は、ある意味で戦いです。「終わりの見えないマラソンのようだ」という人もいます。

生きていくうえで、無理をせねばならない場面はたくさんあります。やってられないと思うことあります。息抜きに身体に悪い物だって食べたくなります。その場しのぎであろうと、身を削ろうと、生きていくためにはダメージが避けられない事は多々あります。無病息災は万人の願いとはいえ、健康のために人は生きているわけではありません。仙人の様に暮らすこともできません。

そう考えると、人が時に病むことがあるのもまた自然の摂理のうちなのだな、と納得できるところがありました。いま私たちにできることは、まずは健康を少しでも回復し、健康の主導権を取り戻していく事。日々をはつらつと過ごせること。そのために緩やかな努力をすることです。

そのために私たちがいます。よく鍼灸を学んだ者は、この社会で闘う皆様の力になることができると思います。

その伴走者の一人として、誠花堂をうまく利用して貰えたらと思っています。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ