新型コロナ後遺症の鍼灸治療について

新型コロナ後遺症またはワクチン後の後遺症での問い合わせが本当に多いので、全国的にお困りの方が大勢おられるのだろうと想像しています。

誠花堂にまでわざわざ県外からお越しになられる方もおられますが、さすがに限度はあります。大阪、東京、北海道からの来院なんて非現実的です。誠花堂でなくとも良い鍼灸院は全国各所にあるはずです。

ぜひいい鍼灸院を見つけ相談されてみたらいいと思っています。


・・・とはいうものの、ただその「いい鍼灸院」を見つけるのも簡単ではないことは承知しています。説明するのも簡単なことではありませんしそういう事を述べるのもそもそも好きではありませんが、お困りの方々の助けになればと思い、わたし一個人の考えを述べることにしました。

*新型コロナ関連の不調の治療に話は限定しています。


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まず、新型コロナ後遺症に限りませんが、こじれた病を治療をすることはそもそも容易なことではありません。

なにがどう容易ではないのか。


まずその方の状態を把握することから容易ではないのですが、なによりも変化していく病の姿を捉え続けることが難しいのです。こじれた病の治療では大抵、状態が変転しながら回復していきます。そのためその都度治療法を変えていく必要があります。変化に対応する力を養うにはそれなりの訓練と経験が要ります。

もし初期の頃の回復は目覚ましくても、どこかの段階で回復が停滞するなんてことはよくあります。そのまま右肩上がりにどんどんよくなって終わるという方が希で、そういう場合は治療が適切だったとはいえそうですが、なにより軽症なのだと思います。

段階による治療方針の転換は普通ですが、そういう発想がない治療者は当然変化に対応することができません。漫然と同じような治療をしてしまう。おそらくそれでは対応しきれないのではないかというのが私の考えです。しかし、そういった視点をもつ鍼灸師はまれです。なぜかといえば、そういう教育がされていないからです。また学ぼうにもそういうテキストが一般的になっていない。流派もさまざまありますが、そういう視点をもつ鍼灸治療はほとんどないのが現状です。


わたしはそういった変化を捉える訓練をいやしの道協会で学びました。レベルの差はあるとしても、同じ訓練を受けた鍼灸師であれば概ね同じことができると思います。ただ超少数派のマイナーグループなので全国各所にいる訳ではありません。


なので他には中医学もいいと思います。中医学は理論的にしっかりしているので、よく訓練された鍼灸師であれば対応できるのではないかと思います。伝統鍼灸系の圧倒的大多数をしめるのは経絡治療だそうですが、経絡治療にはそういう視点はみられないためよく分かりません。個人として素晴らしい先生がおられるのは承知していますが。


現代鍼灸系の場合、通常は対応が困難だと思います。彼らの強みは整形外科学的な疾患の対応等、別にあります。トリガーポイントや筋膜リリースなどでも、そういった疾患を対象として発展はしていません。基本的には難しいはずです。


とはいえ、なんにでも例外はありますしざっくりした話ではあります。施術者によるところも多いのがこの仕事です。

ここで述べたことはまったく私一個人が思ったことなので、ひとつの参考程度にしてください。


コロナ関連の不調でお困りの皆様が、いい鍼灸院に出会われることを祈っています。そして元気に社会復帰されることを願っています。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ