わたしが学生の頃、東京でのさまざまな講習会に参加した際、講師が模範として参加者に治療をしていたときのことです。その講師が「邪気が来た!」「邪気を受けた」とかいうおおげさなふるまいをしました。なにかカッコいい事のように振舞う態度がとてもダサく、こんな感じで日々治療をしているのかと想像すると患者さんに失礼だと思いました。学生のくせになんですが、、、。
鍼に限らず、按摩でも邪気を受ける、受けないという話はよくあります。
確かに、人の治療をしていて邪気を受けたと感じることはなくはないです。
でも構わない。仕事ですから。
もし、受けたとしても黙っていればよろしい。それが私の作法です。
鍼灸師からも「治療中に邪気を受けてしまう」と相談されることがありますが、いつも思う事はまずは覚悟が足りないということです。
邪気を受けてなにか困りますか?
具合が悪くなったらどうしよう、嫌だな・・・・という気持ちが私にも1%もないわけではありません。その究極を言えば死でしょう。
わたし個人としては治療をするなかで患者から邪気を受け続けて、その果てに死んだしまったとしても本望だと思っています。逆にそれくらいの気概がないのに人に鍼を打つことなんてできない。
そう思えるからこそなのか、単に鈍いからか。私は邪気をもらうことがほとんどありません。
根底に「恐れ」があるからこそ困るのです。恐れるからこそ悪影響を受ける面があります。また邪気は受けてしまうものなのだと認識するからこそ本当にもらう面もあるのでしょう。真実は分かりませんがそう思っています。
悪い意味で「気の持ちよう」という言い方がされますが、でも実際はその言葉の通りです。正しく気のせいなのです。しかし、それで実際が天と地ほど変わる。意味が伝わるでしょうか。
気の技術するとはこういうことです。
認識と意識が重要なのです。
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