デコれ、そして映えらせろ

昨年、最後の勉強会で美容鍼灸の話がでました。

皮膚疾患の治療の一端としてです。


たるみが起きている場所。シミのある場所。そういう”場所”の真皮層に鍼をするのだそうです。そこに血流を集め真皮細胞の再生を促す―創傷治癒反応です。そういう物理的な面はたしかに鍼の魅力の一つです。面白味はありませんが。


それはそれとして。ひどい話を知りました。

なんでも顔にただ鍼をするのではなく、インスタ映えするようにカラフルな鍼でデコるんだそうです。はい、チーズでシェアよろしく、割引もしまっせと..。


冗談かと思いました。なんでもそういうことを学生に教える指導者がいるという。

医療者としての、鍼灸師としてのプライドはないのか。

それともそれが今の”普通”になっているのだろうか。


以前、わたしの顎関節症の治療例かなにかでも紹介しましたが、一本鍼を打っただけでリフトアップが起こったりする現実があります。やたらと刺せばいいという物ではないし、相手には感受性があります。またそれは左右対称でもなく、そもそも気には層があります。刺さない方がいい事もある。

それをハリネズミの様に鍼を打つ必要が一体どこにあるのか。


どうせやるならもっと真面目にやったらどうなんだと思います。

探花逢源

福岡県福岡市 誠花堂院長のブログ