2024.01.20 01:07随証療法と病名治療わたしは痔にあまり詳しくありません。その割には治療成績はいい印象があります。痔の中でももっとも恐ろしいのが痔瘻です。それがわたしの治療によって「再発を防げている」といってたまにこられる方がいます。危うくなると体で分かるそうですが、治療後にはその感覚が去っていくそうです。特に痔瘻治療のメソッドなど持っていないので、はじめはどうしたものかと思いましたが、我々にできることは基本、証に合わせて治療をするのみです。そのまま治療をしました。しかし、それで対応できるのだから東洋医学は本当によくできていると思います。ただ、そのためには診察が絶対に要ります。脈を診るだけではなく舌も腹も診ますし、様々な角度から情報を合わせて原因を探ります。そのための訓練に多くの時間を割い...
2023.10.31 00:40刺絡から考える慢性上咽頭炎のどの不調を訴える人は多いです。慢性上咽頭炎という病名がつけられる人が最近では多く、Bスポット療法を受けてきた人をよく見かけます。たくさん出血して不調が治るという人もいますが、そうでない人もいます。あまり出血がない人。出血した割に改善しない人もいます。その謎について刺絡の視点から考えてみたいと思います。
2023.09.30 00:55冷えたてホヤホヤの不調あ、蚊が飛んでいます。。。なんだか暑いのか寒いのか分かりませんね。季節外れの風鈴もそろそろしまわなくては。急性の腰痛や首痛、肩が痛い、膝が痛い、、、様々な疼痛が増えています。または肩こりが酷い、だるい。なんせ寝冷えをしやすい時期です。寝る前は暑いから。その反応は身体にも表れています。影響が大きい場合は不調として現れ、痛みや気怠さなどとして感じられます。影響が小さい場合は、不調としては感じません。しかし身体にはしっかり影響が現れていて、その微細な反応点はツボとして使用できます。
2023.03.08 00:45軟便と心下痞軟便の女性です。新型コロナ感染後、咳が続いていましたが数回の治療を経て、大分良くなりました。今は軟便だけが残ったという状況です。家事と育児で夜にはふんばりが利かなくなるそう。産後一年も経ちませんし、それはそうでしょう。心下痞と僅かな心煩があります。下焦を補うとそれらがなくなりました。虚気上逆が関わっていたということです。お通じが硬くなっていけばそれで良しです。
2022.12.23 09:26緊張すると腹痛下痢テストなどで緊張すると決まって腹痛がするという女子大生です。しばらく調子が良かったらしく、数か月ぶりの来院でした。病状は複雑で、陰陽虚実錯綜しています。核心部分では回復していない。または新たな刺激を受けて、新たにこじれていることもあります。推してダメなら引いてみろで、あの手この手を駆使しながら治療していくことになります。
2022.12.22 08:14緊張しても大丈夫鍼を始めてから、緊張性の腹痛・下痢が減ったという報告を受けました。大学の先生で、眼精疲労と頭重感がそもそもの主訴でした。お腹に鍼を打っていませんし、お腹を治そうとは思ってやっていたわけではありませんが、結果としてそういうことが起きていたとのこと。まぁそうなるだろうなとは思いました。ストレス耐性が付いた、とも言えます。また心持の問題というかコツがあります。今回はそういうこと抜きでよくなりました。
2022.12.20 03:00緊張するとお腹が痛い発表の前、会議の前。精神的な緊張がおこると下痢をする、腹痛があるという人がいます。というか、結構多いと思います。原因不明の腹痛と下痢。過敏性腸症候群という名でくくられていますが、原因は不明です。いままで治療してきた中で、あらゆる方法を試みたもののまったく変わらない、効果が出せなかった人もいます。症状の一部が良くなる人もいますし、短期間でかなり良くなるという人もいます。かなり差があります。所見からうかがえる”こじれ具合”も重要ですが、見えるものだけではないようです。
2022.12.14 11:52かつてないほど楽。頭痛、肩こり、息苦しさ、倦怠感が主訴です。特に検査では問題がないそうです。ただ、症状は楽になりません。心下痞硬、下焦の瘀血がみられます。やや便秘。月経痛もあるそうです。5回目、「かつてないほど楽」とのお言葉を頂きました。刺絡もかなり合うようです。月経痛は月単位で見てみないとわかりませんが、よくなっていくはずです。
2022.12.13 02:50葛根湯が合わなかった風邪だと思って、市販薬の葛根湯を飲んだそうです。だが、どうもそれから余計に頭痛が酷くなってしまったという。昨晩、寒気と頭痛があったそうです。それで風邪かな、と思い服用したと。「ほかに変わったことはありませんでしたか?」と聞いてみますが、「特にはなかった」とのこと。本当かな・・・。もっと絞った質問をしたほうがよさそうです。見てみると舌苔も厚く、むしろ裏に入って熱化している感じがあります。もう少し問診してみると、2日ほどまえから食欲が減り、味も分かりにくくなり、便秘ぎみになっていたとのことが分かりました。ほらね。(というか、私の聞き方がよくなかったですね)可能性としては、昨晩の時点ですでに中期に入っていたのだと思います。葛根湯は効くのはごく初期。表に邪気が...
2022.12.10 06:40便秘を治したい便秘の成因は色々ですが生活習慣による部分は大きいです。または、こじれてなっているのか。生活習慣による部分が大きい便秘は、食生活などを見直すだけでもよくなったりします。それでも良くならない場合は、その対応が適当でない場合かこじれています。こじれているものは、なかなかご自分で解決するのは難しい。複雑だからです。ならば、ひとつづつほどいて行けばよい。わたしはいわば、そのお手伝いをしているわけです。もっとも問題がやっかいなのが、便秘薬の服薬が常態化している場合です。便秘薬を飲まねば排便が来ない。来ないと思っている場合です。酸化マグネシウム錠は比較的軽い便秘薬だと言われていますが、患者さんたちをみていると、あれでも十分慢性化するようです。瀉法として働くらしく、中...
2022.12.09 02:51便秘と肌荒れ手の指先の荒れが主訴です。それほど邪気も強くなく、これといった所見がとれませんが、よくみるとわずかに手首の腫、頭部にもわずかな反応。「便秘は?」と聞くと、「便秘している」とのこと。やはり。金の鍉鍼で治療しました。よく便も出て、肌荒れも減ったらしく、お礼に? じゃがいもを沢山頂きました。
2022.11.15 03:00「なにも変わりませんねぇ」わたしが、「前回の治療のあと、調子はいかがでしたか。変わったことはありませんでしたか」と聞くと、Aさんは「なにも変わりませんねぇ・・・」とお答えになりました。そうか、手ごたえは良かったのだが・・・そうでもなかったのかと思いました。ですが、尋ね方を変えてみることにしました。わたし「鼻水が出ていましたが、止まりました?」Aさん「そういえばおかげさまで止まりましたねぇ」わたし「おしっこは元気にでるようになりましたか」Aさん「あ、そういえばよく出ますねぇ」わたし「お通じもよくなったんじゃないですか?(舌診をしながら)」Aさん「そういえば、便秘がよくなりましたねぇ」わたし「大分いいじゃないですか」Aさん「そうですねぇ」というやりとりです。所見がよくなっているので...