2024.02.28 01:35天地が痞える「胸がつかえる」という事にピンとこない方も多いとは思いますが、このように訴える方は意外と多いです。例えば「胸がつかえると寝れなくなる」等という不調があります。つかえる、とは”痞”えると書きます。「否」に「疒」で”痞”であり、”否”とは周易において「塞がる」の意味があります。痞えるとは塞がる病であり、天地陰陽の不調和を現しています。天地「否」=䷋”否”の反対は地天泰=䷊であり、天地陰陽が交流し安定した様を現します。地が上に在り、天が下にあり逆さまですが、それ故に循環がある。天が上に地が下にあるのは普通ですが、それだと極まった状態、つまり循環が立たれた状態を意味します。人体においても同じことが起こりえるのですが、それを痞といいます。痞の取り方はいろいろなの...
2024.02.22 00:50狭心症に灸近頃は寒暖差がありますね。この寒暖差、特に気温が急に下がった今日みたいな日に心臓に負担を感じるそうです。狭心症既往歴のある女性です。先々週、左陽地と外関、足三里に鍼をして帰した所、翌週は非常に冷え込みにも関わらず、一度も心蔵の負担を感じなかったそう。なので頓服を飲むのも忘れていたそうです。よく効いたようです。そういえば、、、、と思い『鍼灸神髄』を読み返すとそのまま書いてありました。澤田健氏は左陽地と中カンのお灸で子宮の左屈を治すという事をやっています。三焦を整え下焦に気を集めるために使っていたようです。心蔵と子宮とではなんの関係もありません。そこを読み解くにはどうしたらいいか。多分そこを説明した人はいないと思います。わたしが知らないだけかもしれませんが...
2024.02.17 00:25教えられ、鍛えられる新型コロナ感染後、胸痛があるという方です。不眠、動悸、息切れ、疲労があります。心臓が検査でひっかかることはない。ひっかることはないけれど確かに動悸はするし胸痛がある。「気にしすぎなのでは・・・」と周囲や医師から思われている人もいるようですが、わたしの実感としてはちゃんとそれなりの反応がお身体に出ているものです。そういうことは画像診断では映らない。そういう事はよくあります。これまでも大勢見させて頂きましたが、新型コロナ感染後の胸痛や不眠、動悸、息切れ、疲労などにはよく適応する感触です。そんな中でも極めつけの、手ごわい胸痛に出会いました。あらゆる手を尽くしましたが難攻不落。1mmも良くならない場合は私の手に負えません。ただ効かない訳でもないので工夫の余地が...
2024.02.10 00:30中耳炎 中風と傷寒中耳炎にも色々あり、なかには自然治癒するものもありますが、おそらく”中風”の類でしょう。傷寒だと危ない。傷寒とは感染症です。抗生物質が出てくる前はそのまま髄膜炎に移行したり、後遺症が残る場合がよくあった聞いています。そういう経緯を思うと重症化・慢性化は怖いです。現代では抗生剤の乱用が問題になっていますが、そういう時代の名残なのでしょうか。普通の鍼灸院が鍼だけでこういった疾患に対応するのは基本的には難しいと私は思います。「また来週」なんていっていたら・・心配です。先日の中耳炎患者さんの話。その後、様態を伺うと中耳炎の症状はなくなっていました。陰部の腫痛も大分良いそうです。かわりに湿疹と水疱が現れており、身体の内外の関連を感じさせます。この方の場合は傷寒で...
2024.02.03 00:00井穴刺鍼 中耳炎耳が腫れて痛いそうです。中耳炎の女性です。足の厥陰肝経の所生病です。陰部の掻痒感・腫痛もあるので竜胆瀉肝湯といったところかもしれません。足の針をするとその辺は大分落ち着きました。ほかにも調べてみると手の関衝穴と中衝穴に反応があります。三焦経と心包経の井穴です。耳との関連を考えると経絡流注的にも適当そうです。消耗が強いので刺絡はせずに井穴刺鍼だけをしたところ、耳の疼痛は減りました。井穴は急性症、熱症に有効と言われますがその通りの結果です。こんなに効くなら刺絡しなくてもいいじゃないかというくらい効きました。井穴とは指先にあるツボで、手には6つあります。小指だけ2つあるから6つです。こんなところでなぜ耳に効いたのか。人体は面白いですね。