2023.11.30 01:06顔の中が凝る2顔が凝る人は、無意識にちからが入りやすい傾向があります。くいしばりもそのひとつです。顎関節症だといって来院する人もいます。くいしばるので顎関節症をおこすのか。或いはその逆なのか、或いは同時なのか。いずれにせよこういう場合は、慢性頭痛や耳の疾患がある人も多いです。興味深いのは、ただ単にこり硬まってかたいのではなく、「力が抜けなくて」硬さを帯びているという点です。だからただ揉んでもあまり意味がありません。無意識にちからを入れてしまっていて抜けない。錐体外路系の不随意運動などはその極みなのだろうと思いますが、障害未満という形でそれが出ている。東洋医学では痙攣の「痙」という字を当てています。「諸痙、項強は皆湿に属す。諸暴強直は皆風に属す」素問 至真要大論風とい...
2023.11.28 00:50顔の中が凝る顔の「中」が凝るなどというと驚かれるかもしれませんが、顔の中が凝っている人は結構たくさんいます。そういう人に最高な鍼を考えました。歴史上おなじような事を考えた人は他にもいるとは思いますが、わたしの知るところでは正穴にも奇穴にも該当するツボがありませんし、刺法も聞きません。なので一応、私の発明ということになります。始めは結構深めに刺したりしてましたが、ほとんど刺さなくても効果が出せることが分かったので、最近はそんな感じでやっています。早い人は一瞬で緩んだりします。物理的には届いていないのに奥が緩むというのは面白い現象です。さらに面白いことには、顔の中が緩むといいことが他にもあるということです。
2023.11.25 01:02泡を吐く泡を吐くと頭痛が楽になるということがあります。泡を吐くだなんて信じられない気もしますが、そういうことがあります。胃の中にあるムカムカしたものが上がってきて、吐き出してみると泡状の塊なんだそうで、水に流してもなかなか解けない。おそらく痰飲の一種なのでしょう。これが出ると楽になるという。痰が結れて頭痛を起こしている。陽気が阻まれるため頭が寒い。そのために悪風がしたりします。気が巡りだすとうまく吐き出せる様子です。
2023.11.21 00:36靴ズレで薬指が痛い足の薬指の靴擦れです。歩くと靴が当たって痛いが、そもそも手で触れるだけでも痛いという。すべての治療が終了した後におっしゃいました。ふと思い出しちゃったみたいです。始めに言って欲しいかも・・・。手のツボを使って引き針をしました。様子をうかがうと「触っても痛くない!」そうです。そのまま続けると靴擦れ痛がほとんどなくなったそうです。陰を使って陽を治す。上を使って下を治す。とても不思議がっていましたが、私も不思議な現象だといつも思います。
2023.11.18 00:30乳腺炎の鍼産後の乳腺炎にも鍼治療はできます。教科書的に行くと、まずは経脈の走行でいえば足の厥陰肝経が、または足の陽明胃経が乳房付近を通過します。手の太陰肺経や心包経でもいいでしょう。しかし、この度は手の太陽小腸経で取れました。手から肘のあたりに2,3点軽く刺激をしておしまい。この後、乳腺炎が大分よくなったそうです。直接、乳房に触れることなく、遠隔で治療できるのが鍼のいいところです。
2023.11.16 00:35随想:一日一施『一日一花』という川瀬敏郎さんの素晴らしい写真集があります。息が止まるほどに美しいとはまさにこの事。枯れた草花をこんな形で見せてくれた人をわたしは他に知りません。
2023.11.14 00:10繆刺で手の痛みが取れました。手の親指が痛いそうです。それが取れるツボはどの辺にあるのか、、、調べてみると足の親指だということがわかりました。テイシンでチョンチョン刺激をすると手の痛みが取れました。「な、なんで??」と聞かれても、なぜかは説明できないこともあります。わたしは理屈を使って考えてツボを取るという事を極力しないようにしています。意図的にそうしています。手が教えてくれるとしか言いようがない時があります。はじめからそういうことばかりやっていたら、単なるデタラメ治療になっていたはずです。師に「十年早い」と叱られたことがありますが理由があるわけです。
2023.11.10 23:53朝起きると手がアイーンってなるなぞの症状です。私「あの、、、もう一回言って貰えますか?」Kさん「朝起きると手がアイーンってなるんです」私 「・・・」Kさん「・・・」私 「その”アイーン”ってどういうことですか?」Kさん「う~ん、やっぱりアイーンというかボヨーンというか、バイーンというか、、、」私 「朝起きたら”志村けんのアイーン”になっている? 手が?」
2023.11.07 00:40吐方と慢性上咽頭炎2漢方において、汗吐下和(かん・と・げ・わ)という治法があります。「吐」方は吐かせる治療法であり、該当する薬方を催吐剤といいます。胃の内容物などを吐き出すことを指しますが、吐方はかなりきつい治療法だったらしく次第に廃れました。一方で、口内から痰を排出することで治癒していくという過程もまた、まさに吐法の一部なのではと前回述べました。上咽頭を病む場合、上咽頭単独で炎症がある場合もあるでしょうが、どうも下咽頭~食道あたりまで荒れていることはよく様子です。実際に目で見て確認することはできませんが、触診でもある程度の予測ができます。胸と腹を治さずに喉だけ治すことはできません。吐方の歴史は古く、『内経』『難経』にも記録があります。「髙き者は因りて之を越す」『素問』陰...
2023.11.04 00:19吐方と慢性上咽頭炎慢性上咽頭炎の治療をしていると、回復期の中盤から終盤にかけて痰をたくさん吐出する場合があります。今日も「前回治療後、オレンジ色の痰をたくさん吐いた」という報告を受けましたが、そういうことがあります。この現象がなぜ起きるのかを考えてみると、吐き出すべきものが上手く吐き出せていなかった人が、体力が回復するにつれてそれを吐き出せるようになってきた、、ということなんだと思います。上手く吐きだせないとはどういうことか。例えば「のどに張り付くような痰があって吐き出せない」という場合がよくあります。とても乾いている。それが治療をしていると、それが潤ってきます。咽頭部の細胞組織を内から潤すように分泌物が湧き、咽に染みつきへばり付いた痰が染み出してくるイメージを私はもっ...